ENo.0078　阿山煕＆阿山九郎

それは秋の初めの『ある日』に起こった出来事・・・・。


「・・・・ねぇ・・・・ヒロ兄ちゃん・・・・ホンマにここなん？」

何となく良く似た2人の『人外』の青年が夕闇が訪れる間際の『ある路地』で話している。

ヒロと呼ばれた青年「うん・・・・間違いなく、ここで巻き込まれたのよ・・・・九郎」

九郎と呼ばれた青年「うーん・・・・ヒロ兄ちゃんが嘘つくとは思わないけどさ・・・・魔術的な感じは何も感じないし・・・・ホントここで『飛ばされた』の？」

なにやら普通の会話ではない・・・・だが見た目が人外・・・・『ヒロ』と呼ばれた方『ヒカル・アヤマ・ウエザラル』こと『阿山　煕』の姿は四つ眼に有翼、頭部からは『マガキガイ』のような触手（？）のような眼が生えている、方や『九郎』と呼ばれた『クロウ・アヤマ・ウエザラル』こと『阿山　九郎』はヒカルと同じように四つ眼、有翼・・・・そして頭には兎の耳が生えている・・・・どう見ても人間には見えない二人が普通ではない会話をしていても誰も気にはしないだろう・・・・何度も言うが見た目が見た目なだけに。

ヒカル「嘘じゃなくホンマに、ここで今日みたいにコンビニでビール買って家へ帰る時に『この場所』で『異世界』へ飛ばされたんやって！」

クロウ「あ～うん・・・・分かってるって・・・・嘘ついてないのは分かってる・・・・でもさ・・・・そう簡単に前みたいな事が起こるかなぁ？」

やはり・・・・なにやら半信半疑である。

ヒカル「うー・・・・まぁ・・・・本当に・・・・何度も起こるとは思わないけどさー・・・・まぁ・・・・うん・・・・今日は付き合わせて、すまんかったわ・・・・うん」

クロウ「あー・・・・いや・・・・あやまらんくても良いよ・・・・兄ちゃん・・・・取り敢えず帰ってさ一杯やらない、あ・・・・俺は酒弱くなっちゃってるから呑めないけどさ？」

ヒカル「・・・・せやな・・・・帰ろっか・・・・何か冷えて来たし」


もう直ぐ日も暮れる・・・・二人は諦めて帰ろうとしていた・・・・早く帰って、どんちゃん騒ぎをするつもりだった。


ところがどっこい世の中は、そんなに甘くはなかった！


見事に以前、ヒカルが体験したように『時空に穴』が開き・・・・そして二人を・・・・。


クロウ「え・・・・ちょ・・・・待って、待って・・・・嘘やろ！？」

ヒカル「ホンマに起こったやん・・・・てか諦めろ九郎！もう逃げられんで！！」

クロウ「待って・・・・何でヒロ兄ちゃん、こんなに冷静やねん！？」

ヒカル「いやぁ・・・・何だかんだで楽しい経験できたし・・・・今回も楽しみになってちゃって・・・・まぁ楽しもうや？」

クロウ「いやああぁああぁぁあ！絶対に嫌な予感がするぅーてか、たーすーけーてー！」

ヒカル「さぁ・・・・今回は『前と同じ世界』かなぁ～それとも『別の世界』なのかなぁ～楽しみや～」

クロウ「うわぁああぁああん！マジ勘弁して～！！」



さて・・・・二人が誘われた世界は一体、何処なのか・・・・それは、この後の『結果』次第である。