ENo.0129　サイハス

人の波が去り店先にも静けさが訪れた頃人影が現れた。
うたた寝をしていたサイハスは顔を上げその人物を見ると目をこすりながら口を開いた。

「おう」
「おうじゃないよ」

カラバくん
✓サイハスくんのともだち
✓魔法使い　金髪　赤い　やさしいかも　クズ

「サイハス、今度はなにやってんの？」
「よくわからないが金魚のフンがどうとか」
「金魚のフン」
「よくわからん」
「なんか妙に人が多いけど」
「多いなあ……
　同じ奴が何度も買いにきたりな」
「知り合い？」
「そうかもしれない」
「……育てた子？」
「似ていた気はする」
「あのさ」
「ああ」
「やめなよ」
「そうだな」
「このやり取り何回目かな」
「さあなあ」

カラバは諦めたようにひとつ息を吐き手に持っていた包みをサイハスに渡した。
中身はぱんぱんに具が詰まったサンドイッチだった。
オーブンでじっくり焼いた肉が何枚もはさまれているものだとか、卵をクリームソースとピクルスとスパイスで和えたカラフルなものだとか、クルミの実を砕いてペーストにしたもの、色々なサンドイッチが入っている。
サイハスは何も言わずそのなかの一つを取り出し頬張った。
食べかたはあまりきれいとは言えず口のはしにソースがついている。

「行くのか」
「また来るよ」

サイハスくん
✓よくわからないけど金魚の看板をもらったのでおみせをひらいている
✓しなない　じじい　おっさん　見た目はわかいかも　頭はよくない　クズ