ENo.0137　ネガティヴ魔法使い　イアティア

激動の一週間だった。最初からクライマックス。ホワイトコンビニとは一体。
正直夜逃げしても許されるくらいにハードだった……。いや、夕逃げ？　あれ、夕方は明るいから逃げてもバレる？

昼――夕方はお店の仕事。終わったら品物の整理と帳簿の記載。寝る前には品物の作成――っていうか魔方陣を手描きで一枚一枚一枚一枚……。たまに寝れない日とかあった。眠すぎて逆に眠くない境地まで行ってる。これ一回寝たら永遠に起きられなくなるんじゃ……。

商品はぜんぜん売れないし、トラブルは起きまくるし散々というか、私の精神が散り散りになるわ。裁縫はできないから薬剤か焼いてくっつけないとねハハハハ笑えないわ。
一番腹が立つのは、私の所になぜかカピバラの群れが来ない事だよ。クソ。ホコリまみれの店に入って雑巾代わりになりたくないってこと？　ふざけてる。ホコリとモップみたいな感じなのに仲良くできないのか。
見てなよ、あまりに綺麗になりすぎて入店するものが逆にホコリ同然になるくらい掃除してやるんだから。まあ、儲けがなくて掃除用具も買えないんだけど。

ひもじい。羊皮紙って食べられるのかな。いや食べないけど。いや、おやつ程度には……？

ダメだ。思考がダメすぎる。こんなんじゃこれからダメだ。いやダメなのいつもじゃん。なんでさもいつもはダメじゃない風を装っているんだ私は。ダメだな。


つらいことから逃げてもつらいのってつらいな。せっかく目を背けたのに、背けた先にまた壁がある。あれあれ密室かな？
探偵はじめました。魔法使いやめました。いやダメでしょ。

もうヤケクソだ。いや、ここ来てから毎日ヤケクソだけどそれはともかく。
今週は薬を作ろう。いい加減睡魔を召喚しながら魔方陣描く生活はこりごり。適当な材料で適当に作れば大丈夫。いける。ダメな私でも初級レベルの憑依薬は作れるんだから。

なぜ私はこんなことをしてるのか。それはもう考えるのをやめた。
ここで私は商品を作る、売る、それだけ。考えたら負け。