第5週目 B・ミナスジェライス兄妹の一週間
◆日記
業務日誌
4日目
記入:臨時店長リオ・バーントイエロー・ミナスジェライス
金魚坂グループが3トンものレアメタル・オリハルコンを入荷し、それを使って接客用オートマタを作るらしいというニュースが入った。それに便乗したのか、うちにも産業用オートマタを扱った雑誌(ムックと呼ばれるタイプのものらしい)が入荷している。
しかし金魚坂グループが作ろうとしているのは金魚型のオートマタらしい。果たして上手くいくのだろうか。それに乗って夕闇国でコンビニなんぞやっているおれが言うのも妙な話ではあるのだが。
オートマタの類はうちの店でも複数体働いている。おれ達がここに配属された時バックヤードに置かれていた引き継ぎ資料によれば(果たしておれ達の前任者などここに存在したのか)こことは違う、一年おきに崩壊と再生を繰り返す世界に住む小人の魔王が作ったものだそうで、この店には最初から配備されていた。彼らは件の魔王からの委託と称し、うちの店の外に多肉植物の棚を勝手に作っているが、あれはシトリン・マーケットの会計とは別になるらしく、売れたとしてもこちらの利益にはならないそうだった。とはいえ、流石にコンビニで植物を買って帰る客は少ないようで(コンビニの販売物は日用品がメインであると最近ようやく気がついた)多肉植物の会計用自動人形はいつも一人寂しく棚の側に佇んでいた。
彼らを見ていると、おれは少し疑問に思う。
彼らの顔は感情表現の手段を持たないが、身振り手振りは思いのほか表情豊かだ。未だに上手く笑顔ができないおれよりも、余程雄弁に彼らは己を語っている。
生身の体を元に機械によって動かされている、いわゆるサイボーグであるおれ達と、彼ら自動人形とは、一体どこが違うのだろう。それが少し、分からなくなっている。
久しぶりに夢を見た。
おれの視点は今よりずっと低かった。左右の手を誰かと握って、おれはパステルカラーに染められた石畳の上を歩いていた。妹達はまだ生まれる前だったんだろう。奇妙な事に、そんな事をぼんやりおれは考えていた。
ジェットコースター、観覧車、メリーゴーランド、幾つも並ぶクレープやポップコーンの屋台。それらが皆うっすらと、淡く霧に霞んでいる。
おれの左右にいる人が、おれに向かって何か話しかけていた気がする。優しいその声が語った内容をおれは覚えていない。
おれは右手を繋いでいる相手を見上げた。輪郭の判然としない、白い服を着た誰かが、おれに向かって微笑みかけた。
目を覚ましてからも、しばらく頭がぼうっとして、おれはベッドから起き上がる気になれなかった。
サイボーグも夢を見る。生身の部分に宿った記憶が、機械の部分に流れる電流から刺激を受けて夢を見せる。嘘か本当か知らないが、そんな風におれのメンテナンスをしてくれた技師が言っていた事がある。
記憶にない風景、それなのに懐かしい。
(……あれは)
あれは多分、おれがおれになる前の、三人で一人のバーントイエローになる前の、本当のリオ・ミナスジェライスの記憶だ。今のおれは一度本当のリオ・ミナスジェライスの人格が妹達と混ぜ合わせられた「バーントイエロー」になって、複合体となったその人格を再度それぞれの体に分割してできたものだ。だから、かつてのリオと今のおれは、ほぼ別人と言ってもいい。
それでも、おれの体は元々はリオ・ミナスジェライスのものだった。だからおれの体は時々、こうしてリオの記憶を夢にして見せる。まるで昔を懐かしむように。
そして今のおれは、それを戸惑いながら呆然と眺めるしかない。
(……なかなか慣れないな、これは)
困惑を持て余しながらベッドに寝そべっていると、バタバタバタ、と外の廊下を走る音がした。
「リオ兄ちゃんリオ兄ちゃん!」
ツインテールを揺らしながら、勢いよく仮眠室に駆け込んできたのは、妹のアニカだった。
「出たよ兄ちゃん!」
そんな事を言う。
「出たって、何が」
答えを半ば予想しながら、おれは聞き返せずにはいられなかった。
「例のお化け!」
そこまでは予想していた。だがそこから先は、思いがけない言葉が飛んできた。
「仮眠室の前にいたよ! リオ兄ちゃん気づかなかった?」
4日目
記入:臨時店長リオ・バーントイエロー・ミナスジェライス
金魚坂グループが3トンものレアメタル・オリハルコンを入荷し、それを使って接客用オートマタを作るらしいというニュースが入った。それに便乗したのか、うちにも産業用オートマタを扱った雑誌(ムックと呼ばれるタイプのものらしい)が入荷している。
しかし金魚坂グループが作ろうとしているのは金魚型のオートマタらしい。果たして上手くいくのだろうか。それに乗って夕闇国でコンビニなんぞやっているおれが言うのも妙な話ではあるのだが。
オートマタの類はうちの店でも複数体働いている。おれ達がここに配属された時バックヤードに置かれていた引き継ぎ資料によれば(果たしておれ達の前任者などここに存在したのか)こことは違う、一年おきに崩壊と再生を繰り返す世界に住む小人の魔王が作ったものだそうで、この店には最初から配備されていた。彼らは件の魔王からの委託と称し、うちの店の外に多肉植物の棚を勝手に作っているが、あれはシトリン・マーケットの会計とは別になるらしく、売れたとしてもこちらの利益にはならないそうだった。とはいえ、流石にコンビニで植物を買って帰る客は少ないようで(コンビニの販売物は日用品がメインであると最近ようやく気がついた)多肉植物の会計用自動人形はいつも一人寂しく棚の側に佇んでいた。
彼らを見ていると、おれは少し疑問に思う。
彼らの顔は感情表現の手段を持たないが、身振り手振りは思いのほか表情豊かだ。未だに上手く笑顔ができないおれよりも、余程雄弁に彼らは己を語っている。
生身の体を元に機械によって動かされている、いわゆるサイボーグであるおれ達と、彼ら自動人形とは、一体どこが違うのだろう。それが少し、分からなくなっている。
久しぶりに夢を見た。
おれの視点は今よりずっと低かった。左右の手を誰かと握って、おれはパステルカラーに染められた石畳の上を歩いていた。妹達はまだ生まれる前だったんだろう。奇妙な事に、そんな事をぼんやりおれは考えていた。
ジェットコースター、観覧車、メリーゴーランド、幾つも並ぶクレープやポップコーンの屋台。それらが皆うっすらと、淡く霧に霞んでいる。
おれの左右にいる人が、おれに向かって何か話しかけていた気がする。優しいその声が語った内容をおれは覚えていない。
おれは右手を繋いでいる相手を見上げた。輪郭の判然としない、白い服を着た誰かが、おれに向かって微笑みかけた。
目を覚ましてからも、しばらく頭がぼうっとして、おれはベッドから起き上がる気になれなかった。
サイボーグも夢を見る。生身の部分に宿った記憶が、機械の部分に流れる電流から刺激を受けて夢を見せる。嘘か本当か知らないが、そんな風におれのメンテナンスをしてくれた技師が言っていた事がある。
記憶にない風景、それなのに懐かしい。
(……あれは)
あれは多分、おれがおれになる前の、三人で一人のバーントイエローになる前の、本当のリオ・ミナスジェライスの記憶だ。今のおれは一度本当のリオ・ミナスジェライスの人格が妹達と混ぜ合わせられた「バーントイエロー」になって、複合体となったその人格を再度それぞれの体に分割してできたものだ。だから、かつてのリオと今のおれは、ほぼ別人と言ってもいい。
それでも、おれの体は元々はリオ・ミナスジェライスのものだった。だからおれの体は時々、こうしてリオの記憶を夢にして見せる。まるで昔を懐かしむように。
そして今のおれは、それを戸惑いながら呆然と眺めるしかない。
(……なかなか慣れないな、これは)
困惑を持て余しながらベッドに寝そべっていると、バタバタバタ、と外の廊下を走る音がした。
「リオ兄ちゃんリオ兄ちゃん!」
ツインテールを揺らしながら、勢いよく仮眠室に駆け込んできたのは、妹のアニカだった。
「出たよ兄ちゃん!」
そんな事を言う。
「出たって、何が」
答えを半ば予想しながら、おれは聞き返せずにはいられなかった。
「例のお化け!」
そこまでは予想していた。だがそこから先は、思いがけない言葉が飛んできた。
「仮眠室の前にいたよ! リオ兄ちゃん気づかなかった?」
STORY
「フフフ、調子よさそうね」「あなたは……金魚の魔女!」
さなえのもとに久しぶりに表れた緑の金魚……それはさなえを勇気づけた金魚の魔女だった
「あなたの奥底にある呪いを破壊する力、見つけられた?」
「ぼちぼちですなぁ」
さなえの計画する金魚型接客マシン。それは設計段階を経て、もうすぐ納入が近づいていた
「気を付けて。敵もあなたの力に気付いている。きっと、追い打ちをかけてくる……インゴットの入荷も、敵の仕組んだ罠」
「関係ない……私はすべての逆境を、乗り越えてみせる!」
その時社長室に転がり込んでくる金魚!
「社長! 無数のゴリラ様のご来店です! ゴリラウェーブ、来ました!」
――ゴリラウェーブ、来ました――
◆訓練
機転の訓練をしました機転が13上昇した
笑顔の訓練をしました笑顔が14上昇した
笑顔の訓練をしました笑顔が16上昇した
◆送品
◆送金
◆破棄
◆購入
イエローズはピザ~クリスマスVer~を527闇円で購入した!
イエローズはキング・クラブ・バーガーを1161闇円で購入した!
◆作製
時代の風32とはえぬき32を素材にして世界最先端!接客用オートマタの世界を作製した!
◆コンビニタイプ決定
ホワイト に決定!!
◆アセンブル
スロット1にポトフを装備した
スロット2に蠱惑的もやしを装備した
スロット3にキング・クラブ・バーガーを装備した
スロット4にりんごを装備した
スロット5にレシピ付きスパイスセットを装備した
スロット6に敗者にならない技術vol.1を装備した
スロット7に世界最先端!接客用オートマタの世界を装備した
スロット8にシトリンの一粒シルバーリング(非加熱)を装備した
スロット9に銀細工の首飾りを装備した
スロット10に『戦え!アメトリンロボ!』の全てを装備した
スロット11にピザ~クリスマスVer~を装備した
◆アイテム改名
◆アイテムアイコン変更
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メッセージ
◆戦闘結果
売り上げ
闇円収入 2627
貢献収入 296
ゲージ突破成功!! ホワイト補正 5%
行動順報酬!! 11%
合計闇円収入3406
◆経験値が30増加しました……
◆体力が97増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
貢献収入 296
ゲージ突破成功!! ホワイト補正 5%
行動順報酬!! 11%
合計闇円収入3406
◆経験値が30増加しました……
◆体力が97増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
イエローズは笑顔マニュアル36を入手した!
イエローズは親切マニュアル36を入手した!
キャラデータ
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プロフィール
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どこぞの霧深い世界からやってきた、サイボーグの三人兄妹。 サイボーグなので、腰から尻尾のような充電ケーブルが生えている。 生活費を稼ぐべくとあるバイト募集のチラシを手に取ったところ、 夕闇国でコンビニの店長をする羽目になってしまった。 兄:リオ・B・ミナスジェライス 青年型サイボーグ。外見年齢は十代後半ぐらい。 三兄妹で一番感情表現が下手くそ。最近やっと笑顔が作れるようになってきた。根は素直。 最年長ということでコンビニ「シトリン・マーケット」の店長を押し付けられた苦労人。 勤務日記も彼が書いている。兄の性か。 妹その一:ヴェラ・B・ミナスジェライス 少女型サイボーグ、ロングヘアーの方。外見年齢は十代前半ぐらい。 リオの妹その一。アニカとは双子。いつも穏やかに笑っているおっとりさん。 勤務中に歌い出してしまうのが玉に瑕。 妹その二:アニカ・B・ミナスジェライス 少女型サイボーグ、ツインテールの方。外見年齢は十代前半ぐらい。 リオの妹その一。ヴェラとは双子。よく笑いよく走るおてんばさん。 勤務中に踊りだしてしまうのが玉に瑕。 コンビニ「シトリン・マーケット」 リオ達が経営を任せられた小さなコンビニ。 天井からは黄水晶(紫水晶を加熱して作った人工モノ)のドロップが装飾として いくつもいくつも吊り下がり、看板はけばけばしい黄金色をしている。 外には異世界の魔王から委託されたという多肉植物の無人販売所が併設されている。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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店舗データ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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