第3週目 タワーマンション「ディアマリア黒縄」の一週間
◆日記
「闇」
「闇円」
「……もしかして、今気が付いたのか?」
レジの整理をしながら顔を見合わせるゆきねと勇を、砂子風花は呆れ顔で見た。
その手には今しがた入荷されてきた商品があり、十兵衛と新もやはりバックヤードに入って発注や商品の補充を行っている――つまりは、このコンビニは目下、明日の商戦の準備中であった。
「なんか薄々違うなーみたいな感じはしていたんだが、
あらためて認識したというかなんというか」
「僕は完全に日本円だと思ってました」
「いや、それは普段からもっと自国の通貨を見ておけよ」
「お前はアレだろ、最近クレジットカードでしか買い物してなくてーみたいなやつだろ」
「すみません。ボンボンで」
「いや責めちゃいないけど、そこ謝られると急にやらしくなるななんか」
「社会経験中なんで」
「雄たけび上げて嫌がってたような気がしたが……
……えーと、小銭はこれでオッケーだな」
手際よくコインカウンターに小銭を入れ込み数え終えると、レジに小銭を戻す。
ゆきねはそれをぼけっとした顔で眺めていた。
「いや、お前も仕事しろ」
「小銭数えるの向いてないなあ~」
「馬鹿、こりゃ慣れだよ慣れ。レジ裏に小銭をぶちまけるところからスタートだよ」
「怒りませんか?」
「客は怒るかもな」
「やだなぁ~。店内清掃だけやってたいなぁ~」
「それはそれで大切な仕事ではあるんだが……」
「店に対して明らかに店員多いし、別に分業してもいいんだけどな」
「社会経験はどうした?」
バックヤードから出てきた新が話題に加わり、レジ前に人間が四人。
「ふつうのコンビニって大変だよねえ。ひとりかふたりで、清掃も接客も発注も、品物の出し入れもやらなきゃいけないんでしょう」
五人目。新に続いてバックヤードから出てきた十兵衛は、レジかごに缶コーヒーやおしるこを入れている。
「給料安いしな。人が集まらなくて店長が出ずっぱりになる羽目になる割にな」
「その話、繰り返ししますね」
「学生時代の話だろ? ずいぶん根に持つな」
「店長と殴り合いのけんかしたんだっけ?」
「いや、一方的に殴っただけ」
「反社会的」
「さすがに殴ったらダメだろ殴ったら」
「勇ちゃん、生徒は殴ってないよね……?」
「殴ってねえよ! 店長だって軽く小突いただけだよ!」
「ほんとかな~」
などという間にも、十兵衛が缶コーヒーをホットドリンクの棚に並べ終わり、『準備中』の札を付けた。
「これで一通り終わったかな。
――アタシは、こういうアルバイトしたことないから、ちょっと楽しいんだけどね」
「ああ、お前高校卒業してすぐに就職したもんな」
「就職っていうか、弟子入りネ。そういえば、この辺にうちのお札置いていい?」
「えっ、あれ持ってきてんすか。こっちにも」
十兵衛の言葉に、風花はギクッとした顔で問いかける。
三上十兵衛は霊能者――普段は、お祓いや呪い札を売ることで生計を立てている。
「さすがに自分の分しか持ってこなかったから、こっちで作ったんだけどね。
でも、ご利益は変わらないよ。風花ちゃんもひとつどう?」
「いや、俺はそういうのはちょっと……信教も違うんで……」
「うちの本を持ってこれたら置いたんだけどな」
「……古本ってコンビニに置いていいもんなんですか?」
――石深勇は古書店の店主。死んだ叔父から受け継いだもので、その前は高校教師。
この中で唯一のコンビニアルバイト経験者だが、勤務態度は店長のゆきねに次いで適当だ。
「なら、俺の事務所の名刺もカウンターに置いておこうかな。
コンビニもいいが、体を動かさないとなまりそうだ」
「あの客どもから依頼を受けようってんなら止めねえけどな」
「…………ほかの店主に配ってくるかな」
舞洲新は私立探偵――興信所所長、と言い換えてもいい。
せんだって殺人事件を解決したことでにわかに有名人になったが、異世界ではその評判はゼロからやり直し。
「…………濃い」
「どうした? 急に」
「いえ。明日定時出勤したくないなと思って」
「起こすからな」
そして、ゆきねと風花は親元を離れた大学生と、親に差し向けられた家政夫。
『ディアマリア黒縄』の七階の住人たちは、高層マンションの隣人同士にしては珍しく顔見知りであったが、もちろんマンションの一階のコンビニエンスストアにともに勤務するような謂れはない。ゆきねを除いて全員が、本来の仕事がある身である(風花だけはその本来の仕事も継続して行っているが)
それがなぜこうして一堂に会しているかと言えば、マンションごと異世界にやってきたからに他ならない。それも、この五人だけ。
「異世界転生もの、僕そんなに読まないんですよねえ」
「転生ものなのか? 七階にセスナでも突っ込んだんかな」
「縁起でもないことを言わないでくれ……」
「『異世界に転生したんだがコンビニを経営することになった件について』」
「やめろやめろ」
「えー」
……ともあれ、初日は乗り切った。
果たして明日はどうなることやら。
「闇円」
「……もしかして、今気が付いたのか?」
レジの整理をしながら顔を見合わせるゆきねと勇を、砂子風花は呆れ顔で見た。
その手には今しがた入荷されてきた商品があり、十兵衛と新もやはりバックヤードに入って発注や商品の補充を行っている――つまりは、このコンビニは目下、明日の商戦の準備中であった。
「なんか薄々違うなーみたいな感じはしていたんだが、
あらためて認識したというかなんというか」
「僕は完全に日本円だと思ってました」
「いや、それは普段からもっと自国の通貨を見ておけよ」
「お前はアレだろ、最近クレジットカードでしか買い物してなくてーみたいなやつだろ」
「すみません。ボンボンで」
「いや責めちゃいないけど、そこ謝られると急にやらしくなるななんか」
「社会経験中なんで」
「雄たけび上げて嫌がってたような気がしたが……
……えーと、小銭はこれでオッケーだな」
手際よくコインカウンターに小銭を入れ込み数え終えると、レジに小銭を戻す。
ゆきねはそれをぼけっとした顔で眺めていた。
「いや、お前も仕事しろ」
「小銭数えるの向いてないなあ~」
「馬鹿、こりゃ慣れだよ慣れ。レジ裏に小銭をぶちまけるところからスタートだよ」
「怒りませんか?」
「客は怒るかもな」
「やだなぁ~。店内清掃だけやってたいなぁ~」
「それはそれで大切な仕事ではあるんだが……」
「店に対して明らかに店員多いし、別に分業してもいいんだけどな」
「社会経験はどうした?」
バックヤードから出てきた新が話題に加わり、レジ前に人間が四人。
「ふつうのコンビニって大変だよねえ。ひとりかふたりで、清掃も接客も発注も、品物の出し入れもやらなきゃいけないんでしょう」
五人目。新に続いてバックヤードから出てきた十兵衛は、レジかごに缶コーヒーやおしるこを入れている。
「給料安いしな。人が集まらなくて店長が出ずっぱりになる羽目になる割にな」
「その話、繰り返ししますね」
「学生時代の話だろ? ずいぶん根に持つな」
「店長と殴り合いのけんかしたんだっけ?」
「いや、一方的に殴っただけ」
「反社会的」
「さすがに殴ったらダメだろ殴ったら」
「勇ちゃん、生徒は殴ってないよね……?」
「殴ってねえよ! 店長だって軽く小突いただけだよ!」
「ほんとかな~」
などという間にも、十兵衛が缶コーヒーをホットドリンクの棚に並べ終わり、『準備中』の札を付けた。
「これで一通り終わったかな。
――アタシは、こういうアルバイトしたことないから、ちょっと楽しいんだけどね」
「ああ、お前高校卒業してすぐに就職したもんな」
「就職っていうか、弟子入りネ。そういえば、この辺にうちのお札置いていい?」
「えっ、あれ持ってきてんすか。こっちにも」
十兵衛の言葉に、風花はギクッとした顔で問いかける。
三上十兵衛は霊能者――普段は、お祓いや呪い札を売ることで生計を立てている。
「さすがに自分の分しか持ってこなかったから、こっちで作ったんだけどね。
でも、ご利益は変わらないよ。風花ちゃんもひとつどう?」
「いや、俺はそういうのはちょっと……信教も違うんで……」
「うちの本を持ってこれたら置いたんだけどな」
「……古本ってコンビニに置いていいもんなんですか?」
――石深勇は古書店の店主。死んだ叔父から受け継いだもので、その前は高校教師。
この中で唯一のコンビニアルバイト経験者だが、勤務態度は店長のゆきねに次いで適当だ。
「なら、俺の事務所の名刺もカウンターに置いておこうかな。
コンビニもいいが、体を動かさないとなまりそうだ」
「あの客どもから依頼を受けようってんなら止めねえけどな」
「…………ほかの店主に配ってくるかな」
舞洲新は私立探偵――興信所所長、と言い換えてもいい。
せんだって殺人事件を解決したことでにわかに有名人になったが、異世界ではその評判はゼロからやり直し。
「…………濃い」
「どうした? 急に」
「いえ。明日定時出勤したくないなと思って」
「起こすからな」
そして、ゆきねと風花は親元を離れた大学生と、親に差し向けられた家政夫。
『ディアマリア黒縄』の七階の住人たちは、高層マンションの隣人同士にしては珍しく顔見知りであったが、もちろんマンションの一階のコンビニエンスストアにともに勤務するような謂れはない。ゆきねを除いて全員が、本来の仕事がある身である(風花だけはその本来の仕事も継続して行っているが)
それがなぜこうして一堂に会しているかと言えば、マンションごと異世界にやってきたからに他ならない。それも、この五人だけ。
「異世界転生もの、僕そんなに読まないんですよねえ」
「転生ものなのか? 七階にセスナでも突っ込んだんかな」
「縁起でもないことを言わないでくれ……」
「『異世界に転生したんだがコンビニを経営することになった件について』」
「やめろやめろ」
「えー」
……ともあれ、初日は乗り切った。
果たして明日はどうなることやら。
STORY
店舗の運営状況はなかなかの滑り出しといったところだただ、出店に際し支払った多額の闇円を回収するにはまだまだ足りなかった
「アイディアが必要だね、アイディアが……」
金魚の知恵を絞り、さなえは売り上げデータと見つめあっていた
その時、部下の金魚から意外な報告が入る!
「社長、オリハルコン入荷しました!」
――オリハルコン、入荷できたんだ――
◆訓練
機転の訓練をしました機転が16上昇した
機転の訓練をしました経験値が足りない
機転の訓練をしました経験値が足りない
機転の訓練をしました経験値が足りない
機転の訓練をしました経験値が足りない
◆送品
◆送金
◆破棄
◆購入
天月ゆきねはポトフを480闇円で購入した!
天月ゆきねはライスボールを480闇円で購入した!
天月ゆきねは普通の軽トラックを451闇円で購入した!
◆作製
作成時発動! 誘惑!! 誘惑強化!
作成時発動! 意欲!! 意欲強化!
あおと奇跡の冒険譚!第6巻とカール・ウィックマン『孤立と表象』を素材にしてジニーライダー写真集を作製した!
◆コンビニタイプ決定
コラボ に決定!!
◆アセンブル
スロット1に虚無飲食物を装備した
スロット2に虚無酒類を装備した
スロット3に虚無雑誌を装備した
スロット4に虚無書籍を装備した
スロット5に虚無高級品を装備した
スロット6に虚無日用品を装備した
スロット7に明日からできる! ビジネス百か条を装備した
スロット8にジニーライダー写真集を装備した
スロット9に狐印の油揚げを装備した
スロット10にポトフを装備した
スロット11にライスボールを装備した
スロット12に普通の軽トラックを装備した
◆アイテム改名
◆アイテムアイコン変更
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◆戦闘結果
売り上げ
闇円収入 1856
貢献補正 2.55%
行動順報酬!! 19%
合計闇円収入2264
商品販売数 3個
◆経験値が23増加しました……
◆体力が24増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
貢献補正 2.55%
行動順報酬!! 19%
合計闇円収入2264
商品販売数 3個
◆経験値が23増加しました……
◆体力が24増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
天月ゆきねは大量消費社会28を入手した!
天月ゆきねは椅子28を入手した!
キャラデータ
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プロフィール
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天月ゆきね ダメ学生 なぜか店長をやることになった 石深勇 古本屋の店主 なぜかコンビニを手伝っている 砂子風花 ゆきねの家政夫 なぜかコンビニを手伝っている 舞洲新 勇の従弟 探偵 なぜかコンビニを手伝っている 三上十兵衛 霊能者 なぜかコンビニを手伝っている | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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店舗データ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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