ENo.0053　残念すぎるイケメンども

本日の仕事は終わりっ！
は？俺の仕事？この店で一番偉い俺の仕事はここで威張りくさることだろ。あー疲れた。

やっぱ俺が居ねえとこの店回らないからなー。ちびっこのくせに威張りくさってるヒコに、ほたっといたら棚の食品食いまくるネヘミヤに、目を離したら何しでかすか分かったもんじゃねえカヲル。どうしようもねえ面子をまとめあげるリーダーの仕事は楽じゃねえのよ。やっぱ俺が目を光らせとかねえとさー、この店回ってくんねえし。

俺がここに来た経緯？それが不思議なのよな。俺、元は海洋学者なんだけど。新しい海底遺跡の調査に出向いたら、急に変な潮流に巻き込まれてさ。うわーって変な方向に流されて、あんまり流れが強えもんだから気絶しちまってさ。そしたらダイビングスーツのまま俺陸に上がってて、コンビニの前に居るじゃん。変な話だけどこれほんとだぞ？俺嘘はつかない、これ世の理な。そしたらなんか目の前に三人居るしさ、俺変な手紙握ってるし。まーこの店をお任せしますってもんだから、一番頭良くて一番イケてる俺が一番偉い立場に立たなきゃいけないのは、所謂ノブレス・オブリージュってやつ。あ、わかんなかったらぐぐって。

ってなわけだけど俺の本業は海洋学者であってさ、コンビニの店長じゃないんだから、そりゃまあ生きていくだけ稼げれば万々歳、贅沢できりゃあ御の字なわけよ。あー、ネヘミヤそれは商品だ。食うな。カヲルはバケツひっくり返さないで下さい。ヒコうるせえ。もー、こいつら居なけりゃ俺のストレス半減するんじゃねえの？ほんっと、こいつらさえ居なけりゃあ美人のねーちゃんのお客さん侍らせてマーベラスなコンビニ店長生活エンジョイ出来るのによ。

まあ、生きていくしかないですからね。もうしばらくは足掻いてやりますよ。ここに呼びつけた手紙の主の意図も気になるとこだけど、それはまあ、追々って話。とりあえず食っていけるのを目指さなきゃどうしようもねえし。

あー野郎どもがうるせえ！どうせなら女の子連れてこい、ほんとこの手紙の主腹立つわー！！