第5週目 銀竜の一週間
◆日記
昼食にコンビニラーメン(意外と美味い)を食べ終えた後、成果を確認する。今日は早朝からスタートして昼過ぎにはシフトが終わる。
この街、理性的な面がうせている輩が多いのだが今日は珍しく2人の窃盗犯を捕まえた。元々そこまで犯罪者は多くなかったはずだが、こんな可笑しなコンビニをターゲットにするなど度胸のある輩である。
警察に突き出して一息ついていたが、丁度良いとばかりに俺が店長に呼ばれた。
「ちィーす。お疲れーっす」
壮年の男は相変わらず無造作に伸びた黒髪の尾を揺らし、こちらへと手招く。
「おうお疲れ。他と違って堅苦しくなくてイイなお前」
「曲がりなりにも忍者なんだろ、あいつら全員」
他がどうかは知るところではないが、昼間に限るならあれらは全員そうなのだろう。他人と話すときに付く忍者は皆余計な口を挟まずだんまりになるし、どこか目線は下になる。応対する時は銀竜ですら畏まる。
加えて動作。相変わらず殺到する客をさばくのに人を超えた速度で応対するものだから、十中八九そのものであろう。その割に変な外国人忍者が目立つのも気になるが、腕は確かなのでカウントすることにしている。
ともあれ今回は畏まる忍者もおらず、店長とのサシになっているわけだが。
果たしてこの男銀兵衛が、どれほどの成り幅があるのかは計り知れない。
「まァ座れ。お前さんがここにきてから3週間……いや4週間くらいだ」
「正式に忍者にしてやろうとかなら断っとく」
「そりゃ惜しいことだがそうじゃないね」
銀竜の事だ、と。対面のソファに座りながら気のない返事を向けた。
「あいつは良くやってるか。先輩風吹かせていじめられてるとか」
傍目から50cmほど身長差のある人間同士が苛められてるように思われるなど、どのような印象を抱かれているのだろうか。
話の物種としての冗句なのだろうが、あまりの唐突さに失笑を零してしまう。
「周囲の施設の案内とか、良くしてもらってる。仕事はいつも通り」
「いいねぇ。お前達の動きは見ているが、見事な手際だ。いや初めてにしちゃお前も筋が良い」
忍者にならないのは惜しいと一人唸っているが、動きを見ているなら話も多少盗み聞きはしているのだろう。
度々銀竜から誘い文句を断っていることを把握しているのか、それ以上愚痴めいた言葉を吐くことはしなかった。
「銀竜に何かあったか?」
「ベツに。普段と変わらない。所為動作をとっても普段通り。お前に気に掛ける一点を除いてな」
「俺に入れ込んでる……?」
「本人としちゃ拾った犬みたいな感覚かもしれねェさ。だから責任持って飼おうとでも思ってるんじゃねェか」
「徹頭徹尾犬扱いとはァ、痛み入る献身だ」
少なくとも恋愛的な意味でもなく、依存から来るものでもない。友人というのも絶妙に異なるが、例えるなら兄と妹。
何か間違いがあったワケでもなし。同棲紛いをしていても男に冥利尽きる展開があったわけでもなし。
言い方はアレだが健全に、ルームメンバーとして過ごしてきた。
彼女は気兼ねなく応対して、肩を組んで酒を飲み、友人のように接したかと思えば相手は常に優位性を誇示し、自分の思うまま行動させる。
その本質は飼い主がペットへ行う驕慢な態度にも似ている。アレの場合普段からしてそんな調子の可能性もあったが、そうでもないらしい。
店長曰く、昔は人づきあいも悪かったし忍者として毅然と奔走していたらしい。渡り鳥のようにあちこちと。
「だが良い傾向なんだ。一つに固執することが無かったアレがその対象を見つけたモンでな」
「言っておくが俺ァあいつとずっと一緒にもいられねェぞ」
「期限までに気にかけてくれるだけで構わない。こっちの仕事もようやく軌道に乗って稼ぎの山が見えてきたんだ」
仕事。コンビニ経営の立場からのそれは、悪い報告ではない。同時にそれはリミットの宣告にもつながるわけで。
夕闇国に来た者は――その分類にも寄るが――コンビニ経営、またはコンビニ店員として他所から集められた者達が殆どである。この忍者が経営するコンビニも例外なくそれに準じている。
つまるところ時間が経てば元いた場所に戻されてしまうということ。
コンビニ経営の長というもの、かなり疲れているのか眉間を抑えながら店長は続ける。
「企業の仕事が終わるのは5週で、コンビニ経営も折り返しだ。それぞれが元いた場所に帰るのもほぼ同時期。
それまでに、何とか恩返しくらいはしてやってくれ」
「……返し切れるかは分からねェさね」
あわや死にかけたところを拾い上げられ、身なりを整え、飯を貰った。一宿一飯の恩だけでは足りないというもの。
話はそれで尽きたのか、店長室を後にして礼をし、銀竜の待つスタッフルームへと戻った。
※※※
「お帰り。どうしたどやされたか?」
「どやされたらまずお前の監督不届きになるからな、この場合」
パイプ椅子に凭れて天を仰いでいた銀竜の間抜け面を拝みながら、備えられていた椅子に座り込む。どうしても見下ろす立ち位置になるからこうすると子供っぽさが映える。
つまんねェのと再び見上げ、パイプ椅子の支えの片側を軽く浮かせて反動をつける。キィ、と耳障りな擦れた音が反芻する。
「なァ銀嶺。明日の休みはドコ行くよ。スポセン行く? カフェ? ショッピングもいいなー」
「それもイイけど、一日家で過ごしたい」
「ンな親父みてェなこと云うなよ。うちの親父仕事ばっかでいねェタイプだったけど」
「なら丁度いいだろ。家でゴロゴロするだけしようや。お前だけ買い物に出てくれてもいいけどさ」
「それボクが買い出しに行くことになるじゃねェか。今日の内に買い物済ませて明日一日引き籠るぞオイ」
人のことをさんざん犬扱いしておいてなんだが、これも大概だと思った。
この街、理性的な面がうせている輩が多いのだが今日は珍しく2人の窃盗犯を捕まえた。元々そこまで犯罪者は多くなかったはずだが、こんな可笑しなコンビニをターゲットにするなど度胸のある輩である。
警察に突き出して一息ついていたが、丁度良いとばかりに俺が店長に呼ばれた。
「ちィーす。お疲れーっす」
壮年の男は相変わらず無造作に伸びた黒髪の尾を揺らし、こちらへと手招く。
「おうお疲れ。他と違って堅苦しくなくてイイなお前」
「曲がりなりにも忍者なんだろ、あいつら全員」
他がどうかは知るところではないが、昼間に限るならあれらは全員そうなのだろう。他人と話すときに付く忍者は皆余計な口を挟まずだんまりになるし、どこか目線は下になる。応対する時は銀竜ですら畏まる。
加えて動作。相変わらず殺到する客をさばくのに人を超えた速度で応対するものだから、十中八九そのものであろう。その割に変な外国人忍者が目立つのも気になるが、腕は確かなのでカウントすることにしている。
ともあれ今回は畏まる忍者もおらず、店長とのサシになっているわけだが。
果たしてこの男銀兵衛が、どれほどの成り幅があるのかは計り知れない。
「まァ座れ。お前さんがここにきてから3週間……いや4週間くらいだ」
「正式に忍者にしてやろうとかなら断っとく」
「そりゃ惜しいことだがそうじゃないね」
銀竜の事だ、と。対面のソファに座りながら気のない返事を向けた。
「あいつは良くやってるか。先輩風吹かせていじめられてるとか」
傍目から50cmほど身長差のある人間同士が苛められてるように思われるなど、どのような印象を抱かれているのだろうか。
話の物種としての冗句なのだろうが、あまりの唐突さに失笑を零してしまう。
「周囲の施設の案内とか、良くしてもらってる。仕事はいつも通り」
「いいねぇ。お前達の動きは見ているが、見事な手際だ。いや初めてにしちゃお前も筋が良い」
忍者にならないのは惜しいと一人唸っているが、動きを見ているなら話も多少盗み聞きはしているのだろう。
度々銀竜から誘い文句を断っていることを把握しているのか、それ以上愚痴めいた言葉を吐くことはしなかった。
「銀竜に何かあったか?」
「ベツに。普段と変わらない。所為動作をとっても普段通り。お前に気に掛ける一点を除いてな」
「俺に入れ込んでる……?」
「本人としちゃ拾った犬みたいな感覚かもしれねェさ。だから責任持って飼おうとでも思ってるんじゃねェか」
「徹頭徹尾犬扱いとはァ、痛み入る献身だ」
少なくとも恋愛的な意味でもなく、依存から来るものでもない。友人というのも絶妙に異なるが、例えるなら兄と妹。
何か間違いがあったワケでもなし。同棲紛いをしていても男に冥利尽きる展開があったわけでもなし。
言い方はアレだが健全に、ルームメンバーとして過ごしてきた。
彼女は気兼ねなく応対して、肩を組んで酒を飲み、友人のように接したかと思えば相手は常に優位性を誇示し、自分の思うまま行動させる。
その本質は飼い主がペットへ行う驕慢な態度にも似ている。アレの場合普段からしてそんな調子の可能性もあったが、そうでもないらしい。
店長曰く、昔は人づきあいも悪かったし忍者として毅然と奔走していたらしい。渡り鳥のようにあちこちと。
「だが良い傾向なんだ。一つに固執することが無かったアレがその対象を見つけたモンでな」
「言っておくが俺ァあいつとずっと一緒にもいられねェぞ」
「期限までに気にかけてくれるだけで構わない。こっちの仕事もようやく軌道に乗って稼ぎの山が見えてきたんだ」
仕事。コンビニ経営の立場からのそれは、悪い報告ではない。同時にそれはリミットの宣告にもつながるわけで。
夕闇国に来た者は――その分類にも寄るが――コンビニ経営、またはコンビニ店員として他所から集められた者達が殆どである。この忍者が経営するコンビニも例外なくそれに準じている。
つまるところ時間が経てば元いた場所に戻されてしまうということ。
コンビニ経営の長というもの、かなり疲れているのか眉間を抑えながら店長は続ける。
「企業の仕事が終わるのは5週で、コンビニ経営も折り返しだ。それぞれが元いた場所に帰るのもほぼ同時期。
それまでに、何とか恩返しくらいはしてやってくれ」
「……返し切れるかは分からねェさね」
あわや死にかけたところを拾い上げられ、身なりを整え、飯を貰った。一宿一飯の恩だけでは足りないというもの。
話はそれで尽きたのか、店長室を後にして礼をし、銀竜の待つスタッフルームへと戻った。
※※※
「お帰り。どうしたどやされたか?」
「どやされたらまずお前の監督不届きになるからな、この場合」
パイプ椅子に凭れて天を仰いでいた銀竜の間抜け面を拝みながら、備えられていた椅子に座り込む。どうしても見下ろす立ち位置になるからこうすると子供っぽさが映える。
つまんねェのと再び見上げ、パイプ椅子の支えの片側を軽く浮かせて反動をつける。キィ、と耳障りな擦れた音が反芻する。
「なァ銀嶺。明日の休みはドコ行くよ。スポセン行く? カフェ? ショッピングもいいなー」
「それもイイけど、一日家で過ごしたい」
「ンな親父みてェなこと云うなよ。うちの親父仕事ばっかでいねェタイプだったけど」
「なら丁度いいだろ。家でゴロゴロするだけしようや。お前だけ買い物に出てくれてもいいけどさ」
「それボクが買い出しに行くことになるじゃねェか。今日の内に買い物済ませて明日一日引き籠るぞオイ」
人のことをさんざん犬扱いしておいてなんだが、これも大概だと思った。
STORY
「フフフ、調子よさそうね」「あなたは……金魚の魔女!」
さなえのもとに久しぶりに表れた緑の金魚……それはさなえを勇気づけた金魚の魔女だった
「あなたの奥底にある呪いを破壊する力、見つけられた?」
「ぼちぼちですなぁ」
さなえの計画する金魚型接客マシン。それは設計段階を経て、もうすぐ納入が近づいていた
「気を付けて。敵もあなたの力に気付いている。きっと、追い打ちをかけてくる……インゴットの入荷も、敵の仕組んだ罠」
「関係ない……私はすべての逆境を、乗り越えてみせる!」
その時社長室に転がり込んでくる金魚!
「社長! 無数のゴリラ様のご来店です! ゴリラウェーブ、来ました!」
――ゴリラウェーブ、来ました――
◆訓練
魅力の訓練をしました魅力が18上昇した
魅力の訓練をしました経験値が足りない
魅力の訓練をしました経験値が足りない
気品の訓練をしました経験値が足りない
気品の訓練をしました経験値が足りない
◆送品
◆送金
◆破棄
銀竜は虚無飲食物を破棄した!
銀竜はカラメル重層プリンを破棄した!
銀竜は血液10秒チャージを破棄した!
銀竜はおいしい水を破棄した!
◆購入
銀竜はお母さんが作った(風)親子丼を527闇円で購入した!
銀竜はおもちゃのナイフを496闇円で購入した!
銀竜はふしぎインクを496闇円で購入した!
◆作製
時代の風28とセールのチラシ32を素材にして門松だしのスープを作製した!
◆コンビニタイプ決定
ビジネス に決定!!
◆アセンブル
スロット1にお母さんが作った(風)親子丼を装備した
スロット2にふんわりみかん色ミトンを装備した
スロット3にねじりパンを装備した
スロット4に店長おすすめのマッサージ器を装備した
スロット5にコスモパワーパフェを装備した
スロット6にハルピュイアの少女を装備した
スロット7に無名の忍法帖を装備した
スロット8に兵糧丸薬を装備した
スロット9にコロスシーカーNein(お子様ランチ用)を装備した
スロット10におもちゃのナイフを装備した
スロット11にふしぎインクを装備した
◆アイテム改名
◆アイテムアイコン変更
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メッセージ
ENo.29からのメッセージ>>
「虐待じゃねーし…こうでもしないとどかないやつはどかないからな。営業妨害もいいとこだ」
「あーそうなんだ?残念だな。ペット禁止じゃ仕方ないか」
「あ、ありがと…って、まぁ、この制服作ったの、自分じゃなくてエミリオ…店長なんだけどさ。裁縫とか得意みたいで。まぁ、今店にいないから、帰ってきたら伝えとくよ」
ENo.62からのメッセージ>>
トート&ベル「え?置くでしょ?トラック?え?置かない?」
トート&ベル「草料理は、まあその辺の野草とか雑草とかいろいろ使った新鮮な料理を提供してます」
トート&ベル「そっちは忍者でしょ?確かに流行の最先端だからな~!忍者。なかなか良いチョイスだ」
トート&ベル「え?そんなに偉そう?普段これだけ低姿勢な俺が?馬鹿な」
「虐待じゃねーし…こうでもしないとどかないやつはどかないからな。営業妨害もいいとこだ」
「あーそうなんだ?残念だな。ペット禁止じゃ仕方ないか」
「あ、ありがと…って、まぁ、この制服作ったの、自分じゃなくてエミリオ…店長なんだけどさ。裁縫とか得意みたいで。まぁ、今店にいないから、帰ってきたら伝えとくよ」
ENo.62からのメッセージ>>
トート&ベル「え?置くでしょ?トラック?え?置かない?」
トート&ベル「草料理は、まあその辺の野草とか雑草とかいろいろ使った新鮮な料理を提供してます」
トート&ベル「そっちは忍者でしょ?確かに流行の最先端だからな~!忍者。なかなか良いチョイスだ」
トート&ベル「え?そんなに偉そう?普段これだけ低姿勢な俺が?馬鹿な」
◆戦闘結果
売り上げ
闇円収入 2135
貢献収入 188
行動順報酬!! 12%
合計闇円収入2601
商品販売数 2個
◆経験値が32増加しました……
◆体力が18増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
貢献収入 188
行動順報酬!! 12%
合計闇円収入2601
商品販売数 2個
◆経験値が32増加しました……
◆体力が18増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
銀竜は日々の挨拶36を入手した!
銀竜は暑い日差し36を入手した!
銀竜は新人マニュアル36を入手した!
銀竜は魅了マニュアル36を入手した!
キャラデータ
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プロフィール
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◆銀竜 首元を隠す銀の髪。眠そうな髪碧眼。21代前半の店員。いつもスーツを着ている。 裏通りにある利便性の悪いコンビニ『だっくまぁと』の店員。 その正体は世界の裏で暗躍する現代に生きる忍者の者。 忍びだって店員になる。だって忍びだし。 闇組織の闇的な人たちをメイン客層にしている。たまに一般人が入り乱れるらしい。 彼女は下忍で、階級が低いため主に裏方担当。 憧れの人物はボンドくん。 好きな銘柄はベヴェル・ライト ◆ジル 銀竜が拾った"わんこ" ばさついた銀の短髪。 鋭い肉食獣のような翠眼のガタイの良い偉丈夫。20代後半。バイト。 どこぞのスニーキングする傭兵みたいなスーツを着て放り出されていた。 現在、だっくまぁとでバイトをしながら銀竜の家で居候中。 好きな銘柄はゴールデンバット | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
_0_1_2_3_4_5_6_7 _8_9101112131415 1617181920212223 |
店舗データ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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