第7週目 『無名』’’有想霧像’’の一週間
◆日記
『ゴ リ ラ』
『アイエエエ! ゴリラ!? ゴリラナンデ!?』
『おおお落ち着けお前達、たぶんあのゴリラは別に殴ってくるタイプではない』
うるさい。声がでかい。やかましい!
問題はそんなところにはない。今来ているのがゴリラだろうがオオカミだろうがジョーズだろうが知った事じゃない。
それが何だろうが俺達をどうすることもできない。実体のないものを殴れるわけがなく、人間でも幽霊でもないが、少なくとも滅多に数の減るようなことのない俺達をどうこうできるものなどごく少数だ。
その「ごく少数」がなんとここにはある。勿論それはゴリラではない。
『……! おい見ろ!』
『お店が! お店が消えていく……!?』
崩れ落ちる天井の破片は床に着く前に消えて、ぽっかりと口を開けた穴からは暗い夕闇国の空ばかりが見える。視界を占めるそれの面積はどんどん増え続け、ついには天井と言わず壁や棚までも消え去り始めた。この世界で仕入れた商品がどんどんと床に落ち、無残に転がっていく。今この場に誰かが来たのなら、それこそゴリラが荒らしたのだとでも思うだろう。
『……あー、そっか。もう終わりなんだねえ』
『結構この世界、楽しかったんですけどね』
『でもやっぱり、長居できないものよね。そういう場所ほど』
『そうそう。平々凡々な奴が入れる場所じゃないもの、こういうところはさ』
俺達は群像。俺達は無名。平凡な人生を生きて、平凡に終わるはずだった連中。
それがどういうわけか、こんなよくわからんモノになってしまった。なっちまったものはしょうがない。――と言えればよかったんだが。
誰しも物語のような人生には憧れるだろう。自分のそれが平凡であればあるほど。けれど実際それを生きる者は堪ったものじゃない。
群像として生きるようになってから、俺は特にそう思うようになった。
そうでなければ説明がつかないのだ。
何度でも忘れて自分さえあやふやになりながら生き続けるあの女が、何故そうしなければならないのかについて。そしてその女の気分ひとつに振り回されて、あらゆる世界を漂流し続ける俺達のこの生について。
『ありがとう 夕闇国!』
『夕闇国 ばんざーい!』
『おい誰かそこの「書き割り」どもを黙らせてくれ』
『いいんじゃないの? 僕達もだいたいそう思ってるし』
だがその中でも一つだけはっきりしていることがある。
俺達も、そして恐らくはあの女も。
そうまでして生き続けたいがために、こうなってしまったのだということ。
『もう終わりも近そうだし、とりあえず売れるうちに売っとかない?』
『そのうち商人の「書き割り」になるんじゃないかお前』
『生前を伺ってもよろしいですか』
そんな騒ぎの何一つとして耳に届かぬまま、女は――俺達の核である店番の娘は、その長い髪を床に大部分垂らしたまま消えていく店を、あらわになる夕闇国の空を見上げて呆然としていた。
『アイエエエ! ゴリラ!? ゴリラナンデ!?』
『おおお落ち着けお前達、たぶんあのゴリラは別に殴ってくるタイプではない』
うるさい。声がでかい。やかましい!
問題はそんなところにはない。今来ているのがゴリラだろうがオオカミだろうがジョーズだろうが知った事じゃない。
それが何だろうが俺達をどうすることもできない。実体のないものを殴れるわけがなく、人間でも幽霊でもないが、少なくとも滅多に数の減るようなことのない俺達をどうこうできるものなどごく少数だ。
その「ごく少数」がなんとここにはある。勿論それはゴリラではない。
『……! おい見ろ!』
『お店が! お店が消えていく……!?』
崩れ落ちる天井の破片は床に着く前に消えて、ぽっかりと口を開けた穴からは暗い夕闇国の空ばかりが見える。視界を占めるそれの面積はどんどん増え続け、ついには天井と言わず壁や棚までも消え去り始めた。この世界で仕入れた商品がどんどんと床に落ち、無残に転がっていく。今この場に誰かが来たのなら、それこそゴリラが荒らしたのだとでも思うだろう。
『……あー、そっか。もう終わりなんだねえ』
『結構この世界、楽しかったんですけどね』
『でもやっぱり、長居できないものよね。そういう場所ほど』
『そうそう。平々凡々な奴が入れる場所じゃないもの、こういうところはさ』
俺達は群像。俺達は無名。平凡な人生を生きて、平凡に終わるはずだった連中。
それがどういうわけか、こんなよくわからんモノになってしまった。なっちまったものはしょうがない。――と言えればよかったんだが。
誰しも物語のような人生には憧れるだろう。自分のそれが平凡であればあるほど。けれど実際それを生きる者は堪ったものじゃない。
群像として生きるようになってから、俺は特にそう思うようになった。
そうでなければ説明がつかないのだ。
何度でも忘れて自分さえあやふやになりながら生き続けるあの女が、何故そうしなければならないのかについて。そしてその女の気分ひとつに振り回されて、あらゆる世界を漂流し続ける俺達のこの生について。
『ありがとう 夕闇国!』
『夕闇国 ばんざーい!』
『おい誰かそこの「書き割り」どもを黙らせてくれ』
『いいんじゃないの? 僕達もだいたいそう思ってるし』
だがその中でも一つだけはっきりしていることがある。
俺達も、そして恐らくはあの女も。
そうまでして生き続けたいがために、こうなってしまったのだということ。
『もう終わりも近そうだし、とりあえず売れるうちに売っとかない?』
『そのうち商人の「書き割り」になるんじゃないかお前』
『生前を伺ってもよろしいですか』
そんな騒ぎの何一つとして耳に届かぬまま、女は――俺達の核である店番の娘は、その長い髪を床に大部分垂らしたまま消えていく店を、あらわになる夕闇国の空を見上げて呆然としていた。
STORY
とうとう完成したオリハルコン金魚接客マシン赤く炎のごとく燃える金魚は次々とお客様をひきつける
コンビニの売り上げも堅調に推移し、予算をゆっくりと回収していった……
さなえは静かに夕暮れの街を見る
「もし経営がうまくいったとして、みんな金魚になってどうすればいいんだろう」
「呪いは破らなくちゃ。でも、その方法が分からずに、とりあえずお金を稼いでいる」
視界の端をポコポコドラミングするゴリラが横切る
「金魚の知恵しかないからよくわからないや」
さなえは自嘲した。どうしようもない世界で、どうしようもない状況で、理解できることは少ない
ただ、売り上げの増減だけはひどく単純で、金魚の知恵でも理解可能で、ひとつの真っすぐな道を示していた
――ひとつの真っすぐな道を、示している――
◆訓練
笑顔の訓練をしました笑顔が27上昇した
笑顔の訓練をしました経験値が足りない
◆送品
◆送金
◆破棄
◆購入
無名は刻沙を1267闇円で購入した!
無名はパチモンカップヌードル(フィギュア付)を576闇円で購入した!
無名はあのカードを541闇円で購入した!
◆作製
親切マニュアル36とAmatistaを素材にして失敗どぶろくを作製した!
◆コンビニタイプ決定
ホワイト に決定!!
◆アセンブル
スロット1に失敗どぶろくを装備した
スロット2に水郷の水酒を装備した
スロット4に鸚鵡印の発泡酒を装備した
スロット5に鸚鵡印の発泡酒を装備した
スロット6に刻沙を装備した
スロット7に泡沫商材を装備した
スロット8にいつもの看板商品を装備した
スロット9にパチモンカップヌードル(フィギュア付)を装備した
スロット10におもちゃのナイフを装備した
スロット11に店長おすすめのロウソクを装備した
スロット12に小さな一筆を装備した
◆アイテム改名
◆アイテムアイコン変更
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メッセージ
◆戦闘結果
売り上げ
闇円収入 2385
貢献収入 308
行動順報酬!! 17%
合計闇円収入3150
◆経験値が40増加しました……
◆体力が38増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
貢献収入 308
行動順報酬!! 17%
合計闇円収入3150
◆経験値が40増加しました……
◆体力が38増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
無名はメモ帳44を入手した!
無名は鳥の羽44を入手した!
無名は機転マニュアル44を入手した!
無名はセールのチラシ44を入手した!
キャラデータ
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プロフィール
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とある辺境の村にある、たった一軒の雑貨屋の看板娘。まとめもしない長い黒髪がトレードマーク。 ある日ある時の夕暮れ、黄昏時を通じて店ごと「夕闇国」に迷い込んだ。 心より己をそう信じて生きる、人の形をした人でないもの。 無名のまま死んだ魂たちを、意識もせぬうちに統べる少女。 何かに名を残すほどの害意も熱意も持つことのできない、無名を宿命づけられたまま生きる存在。 爛漫あるいは天然と呼ぶべき少女と、彼女にまったく認識されないままその側にいる無数の影たち――群像と名乗る存在で構成される群体である。 ―――― プロフ絵、IC0~6番:ゆゆづき様「キャラクターメーカー」で作成しております IC8~13番、23番:十con様ご提供のアイコンを使用しております | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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店舗データ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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