第7週目 パロットの一週間
◆日記
夢を見ていた。
夢の中で、俺は一枚の絵を見ていた。
そこに描かれているのは、空。赤から夜の闇へと移り変わろうとしている、夕闇の空。
やがて俺はその絵から傍らに佇む誰かを見上げて、
「…… 、泣いてるのか?」
目を開けば、いつも通りのコンビニのカウンター。硝子張りの扉の外は、いつかどこかで見た夕闇。ほとんど空っぽになっていた頭の片隅に引っかかっていた、風景。
あの風景は、一体、何だったのだろう。
それに、あの風景を眺めていたのは、俺と、もう一人。
「おはよう」
「おう、おはよう……、リブラ」
「どうした? 調子でも悪いのか?」
いや、調子はすこぶるいい。この店の中で目覚めてからずっと、記憶も維持できているし、意識は常にはっきりしている。
だけど、どうしても。どうしても、頭にちらつくイメージが、俺の思考を邪魔するんだ。
いつかどこかで見た夕闇。
俺と、俺の横に立っていた――。
「なあ、リブラ」
「何だ」
「お前、『リブラ』なんて名前だったか?」
刹那。
リブラの顔から、表情が、抜け落ちた。
次の瞬間、俺の目の前に、リブラの手が振り下ろされた。
俺の顔すれすれを通り過ぎた奴の手は、ばん、とカウンターを叩く。
俺を見据える紫水晶の目には、怒りにも似た炎が燃えている。
「聞いたのか、ガンマから。俺のことを、お前自身のことを!」
でも、何でだろうな。
怒ってるってよりも、それは。
……「恐れている」ように、見えたんだ。
「いんや、あいつは何も言わなかった。お前がリブラっていう『役目』であること。それに、お前が俺をこの箱に閉じ込めたっていう『事実』、それ以外は何も」
「……何も……?」
「ああ。お前のことも、俺のことも、何もわかっちゃいない」
「……何も……、そう、か」
そう、これは嘘じゃない。
この前コンビニにやってきた、リブラと同じ顔の別人、自称「端末」のリブラ・ガンマが伝えたことは、あくまで単なる事実でしかない。俺がリブラ・アルファ――つまりここにいる「リブラ」に囚われているという、事実。
『あんたはあいつを覚えてないだろうし、忘れてしまったものを思い出すこともないだろうけれど』
『あいつは、何一つ、忘れられずにいる』
『だから』
リブラにとって、俺がどういう存在だったのかは、結局のところ全くわかっていない。ただ、何らかの目的があって、俺をこの箱のような建物の中に閉じこめていることだけは、間違いないんだろう。そこは、俺自身の現状を顧みても、疑う理由がない。
だからと言って、別に、リブラを責める気にはなれない。
そう、別に、俺はそれでもよかったんだ。
俺はもはや消えてゆくだけの存在で、どうしてこの世にしがみついているのかもわからなくて。でも、どうしても、しがみついていなければならない、という強迫観念だけがあって。
この箱の中にいる間は、理由こそわからないけれど、リブラから与えられた確かな役目があった。条件付きではあるけれど、無意味に消え去ったりしないって保証があった。それだけで、ずっと気が楽だったんだ。
けれど。
けれど、本当にこのままでいいんだろうか。
俺ではなくて――リブラ、が。
きっと、リブラは「いい」と言うんだろう。不思議と、想像がつく。何も知らなくていい、何も考えなくていい。お前はただ、俺の命令を聞いていればいいのだと、最初に俺とお前が顔を合わせたときと同じように、言い放つんだろうな。
だけどさ、リブラ。
自分じゃ気づいてねーのかな。
今のお前、とんでもなく、辛そうな顔してる。
俺に「聞いたのか」って聞いたくせに。
俺が「聞いてない、わかってない」って答えた途端に、とんでもなく、傷ついた顔をしやがるんだ。
……よーくわかったよ。よくないんだろ、リブラ。
このままじゃ、俺も、お前も。
「なあ、リブラ」
リブラは答えない。
ただ、唇を噛んで俯くのみで。
だからこそ、俺は。
「教えてくれないか。俺は、お前にとっての、何だったんだ」
初めて、リブラの懐に、踏み込む。
【Log:06 猫箱の鸚鵡と、臆病な人鳥】
夢の中で、俺は一枚の絵を見ていた。
そこに描かれているのは、空。赤から夜の闇へと移り変わろうとしている、夕闇の空。
やがて俺はその絵から傍らに佇む誰かを見上げて、
「…… 、泣いてるのか?」
目を開けば、いつも通りのコンビニのカウンター。硝子張りの扉の外は、いつかどこかで見た夕闇。ほとんど空っぽになっていた頭の片隅に引っかかっていた、風景。
あの風景は、一体、何だったのだろう。
それに、あの風景を眺めていたのは、俺と、もう一人。



いや、調子はすこぶるいい。この店の中で目覚めてからずっと、記憶も維持できているし、意識は常にはっきりしている。
だけど、どうしても。どうしても、頭にちらつくイメージが、俺の思考を邪魔するんだ。
いつかどこかで見た夕闇。
俺と、俺の横に立っていた――。



刹那。
リブラの顔から、表情が、抜け落ちた。
次の瞬間、俺の目の前に、リブラの手が振り下ろされた。
俺の顔すれすれを通り過ぎた奴の手は、ばん、とカウンターを叩く。
俺を見据える紫水晶の目には、怒りにも似た炎が燃えている。
「聞いたのか、ガンマから。俺のことを、お前自身のことを!」
でも、何でだろうな。
怒ってるってよりも、それは。
……「恐れている」ように、見えたんだ。




そう、これは嘘じゃない。
この前コンビニにやってきた、リブラと同じ顔の別人、自称「端末」のリブラ・ガンマが伝えたことは、あくまで単なる事実でしかない。俺がリブラ・アルファ――つまりここにいる「リブラ」に囚われているという、事実。
『あんたはあいつを覚えてないだろうし、忘れてしまったものを思い出すこともないだろうけれど』
『あいつは、何一つ、忘れられずにいる』
『だから』
リブラにとって、俺がどういう存在だったのかは、結局のところ全くわかっていない。ただ、何らかの目的があって、俺をこの箱のような建物の中に閉じこめていることだけは、間違いないんだろう。そこは、俺自身の現状を顧みても、疑う理由がない。
だからと言って、別に、リブラを責める気にはなれない。
そう、別に、俺はそれでもよかったんだ。
俺はもはや消えてゆくだけの存在で、どうしてこの世にしがみついているのかもわからなくて。でも、どうしても、しがみついていなければならない、という強迫観念だけがあって。
この箱の中にいる間は、理由こそわからないけれど、リブラから与えられた確かな役目があった。条件付きではあるけれど、無意味に消え去ったりしないって保証があった。それだけで、ずっと気が楽だったんだ。
けれど。
けれど、本当にこのままでいいんだろうか。
俺ではなくて――リブラ、が。
きっと、リブラは「いい」と言うんだろう。不思議と、想像がつく。何も知らなくていい、何も考えなくていい。お前はただ、俺の命令を聞いていればいいのだと、最初に俺とお前が顔を合わせたときと同じように、言い放つんだろうな。
だけどさ、リブラ。
自分じゃ気づいてねーのかな。
今のお前、とんでもなく、辛そうな顔してる。
俺に「聞いたのか」って聞いたくせに。
俺が「聞いてない、わかってない」って答えた途端に、とんでもなく、傷ついた顔をしやがるんだ。
……よーくわかったよ。よくないんだろ、リブラ。
このままじゃ、俺も、お前も。

リブラは答えない。
ただ、唇を噛んで俯くのみで。
だからこそ、俺は。

初めて、リブラの懐に、踏み込む。
【Log:06 猫箱の鸚鵡と、臆病な人鳥】
STORY
とうとう完成したオリハルコン金魚接客マシン赤く炎のごとく燃える金魚は次々とお客様をひきつける
コンビニの売り上げも堅調に推移し、予算をゆっくりと回収していった……
さなえは静かに夕暮れの街を見る
「もし経営がうまくいったとして、みんな金魚になってどうすればいいんだろう」
「呪いは破らなくちゃ。でも、その方法が分からずに、とりあえずお金を稼いでいる」
視界の端をポコポコドラミングするゴリラが横切る
「金魚の知恵しかないからよくわからないや」
さなえは自嘲した。どうしようもない世界で、どうしようもない状況で、理解できることは少ない
ただ、売り上げの増減だけはひどく単純で、金魚の知恵でも理解可能で、ひとつの真っすぐな道を示していた
――ひとつの真っすぐな道を、示している――
◆訓練
笑顔の訓練をしました笑顔が22上昇した
笑顔の訓練をしました笑顔が24上昇した
笑顔の訓練をしました経験値が足りない
アルカールカ人魚飼育部からやる気ノート40が届いた◆送品
パロットはアルカールカ水族館夕闇国支店に入店チャイム40を送品した
◆送金
◆破棄
パロットは虚無酒類を破棄した!
パロットは虚無高級品を破棄した!
パロットは虚無日用品を破棄した!
パロットはフライヤー36を破棄した!
パロットはくやしさのばね36を破棄した!
パロットはやる気ノート36を破棄した!
◆購入
パロットは白ワインのシェルパティーを633闇円で購入した!
パロットはヴォトカを633闇円で購入した!
パロットは『エル・パライゾ』を633闇円で購入した!
◆作製
作成時発動! 意欲!! 意欲強化!
やる気ノート40とセールのチラシ40を素材にして鸚鵡印の杏露酒を作製した!
◆コンビニタイプ決定
メガ に決定!!
◆アセンブル
スロット1に鸚鵡印の蒸留酒を装備した
スロット2に鸚鵡印の日本酒を装備した
スロット3に鸚鵡印のウォッカを装備した
スロット4に鸚鵡印のホットワインを装備した
スロット5に鸚鵡印の発泡酒を装備した
スロット6に鸚鵡印のブランデーを装備した
スロット7に鸚鵡印の杏露酒を装備した
スロット8に白ワインのシェルパティーを装備した
スロット9にヴォトカを装備した
スロット10に『エル・パライゾ』を装備した
スロット11に七色カクテルを装備した
スロット12に牙砕き【赤・辛口】を装備した
◆アイテム改名
◆アイテムアイコン変更
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メッセージ
ENo.7からのメッセージ>>
そして――
新商品のマーケットに燦然と輝くペンギンが!!!!!!
ENo.57からのメッセージ>>
バルト「なんだ意味ねぇのか」
フェデルタ「なんで残念そうなんだよ」
バルト「(ちょっとしょんぼりしてたがカレーと聞けばすぐに機嫌がなおった)おっ、いいじゃんカレー!腹減ってたんだよなあ!」
フェデルタ「いや、つまみガチで食ってどうすんだよ」
バルト「いいじゃねーかよ!ほら!酒とカレーで祭りとシャレこもうぜ!!」
フェデルタ「……何祭りだよ」
ENo.74からのメッセージ>>
クスクタ「ほー、じゃあ元々そういう種として存在してるってことか……あっ今の紙どっから出したんだ?
亜空間収納?物質生成か投影?
字はなんかそのヒレで書けそうには見えないな、何らかの筆記装置g」
ストリガ「ややこしいこと言ってないでちゃんとセールスしろって!
酒に合いそうなのならそうだなー、うちは店長の方針でなんか甘いものが多いんだけど……これだこれ、ピザとかどーだろ。けっこう塩っ気あるから合うと思うんだよなー」
ビスカム「あと、これ。(店の奥から出てきたでかい男が『絶望カップラーメン』って書いてある怪しげなカップ麺を推してきた)
死ぬほどクソまずいから話のネタになるぞ。買うなら1つだけがいい」
クスクタ「いきなり出てきたと思ったら何つーもん推してんだよ兄さん」
ENo.79からのメッセージ>>
ラウツェン「(嬉しそうに微笑み)えぇ、是非に… 何でしたら貴方の事を伝えて頂ければちょっとしたサービスも考えましょう。」
ラウツェン「ふむ、ブランデー… 良いですね、ちょっと試しても構いませんか? そのまま扱うもよし、たまには菓子作りに手を出すのも… 一興ですねぇ。大人の味わい、いいものです。…元々、お酒には詳しいのですか?」
ラウツェン「なるほど、そういう仕組みでしたか… 店限定の実体化、不思議なものです。(と、それを聞けば得心した様子で)…あぁ、それで買って来てもらう必要がある訳ですね。普段の仕入れは、大丈夫なのですか? … ふーむ、今度は何か手土産でも持って来る事も考えましょう。退屈でしょうしね、店から動けないというのは」


ENo.57からのメッセージ>>






ENo.74からのメッセージ>>

亜空間収納?物質生成か投影?
字はなんかそのヒレで書けそうには見えないな、何らかの筆記装置g」

酒に合いそうなのならそうだなー、うちは店長の方針でなんか甘いものが多いんだけど……これだこれ、ピザとかどーだろ。けっこう塩っ気あるから合うと思うんだよなー」

死ぬほどクソまずいから話のネタになるぞ。買うなら1つだけがいい」

ENo.79からのメッセージ>>



◆戦闘結果
売り上げ
闇円収入 1521
貢献収入 238
行動順報酬!! 20%
合計闇円収入2110
商品販売数 1個
◆経験値が41増加しました……
◆体力が97増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
貢献収入 238
行動順報酬!! 20%
合計闇円収入2110
商品販売数 1個
◆経験値が41増加しました……
◆体力が97増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
パロットは機転マニュアル44を入手した!
パロットはアルハラ44を入手した!
パロットは大量消費社会44を入手した!
キャラデータ
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プロフィール
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陽気でうるさい幽霊。足はあるよ。 生前のことは何も覚えてないし、つい最近のこともほとんど覚えてない、かるーい頭をしている。 何だかよくわからないけど目が覚めたらコンビニで、しかもコンビニから出たら死ぬ(消える)と言われたので、とりあえずコンビニの中で好き勝手することにした。まずは酒を飲もう。ついでに売ろう。 【酒中心コンビニ『鸚鵡屋』従業員】 パロット こいつ。派手な幽霊。酒が好きだが実のところ味はよくわかっていない疑惑がある。女も好きだけど巨乳に限る。 とにかく記憶がふわふわしてて、生前のことはほとんど覚えてないし、死後のこともよく覚えてない。ただ「パロット」と呼ばれていて、何か未練があって幽霊としてこの世にしがみついていたことだけを覚えている。 超マイペースであっけらかんとしており、物事を深く考えない。今の状況もさっぱり理解はできていないが、美味い酒が飲めるのでいいや、と思っているフシがある。 口を開くとうるさい。とてもうるさい。うるさいからパロット(鸚鵡)なのかもしれない。 リブラ 謎の男。コンビニにパロットを押し込めた張本人だがその思惑は不明。 イケメンだけどちょっと残念な空回り型生真面目さん。 パロットはコンビニから出たら死ぬので、宣伝はこちらの役目。ただコンビニから出ると疲れるらしいので、外では「省エネモード」と称してペンギンの姿をしている。 アイコン、プロフ絵提供:紙箱みど様 (3、22、23は自作) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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店舗データ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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