ENo.0074　さいはてきょうだい

　金魚さんにおねがいされた仕事は、あと８週間。１週間は、７日。
　ここのこよみで５０日以上あります。
　わたしがおうちを出る予定だった日をすぎちゃう。
　どうしよう、ってお父さんにそうだんしたら、あの人とれんらくをとって、それまで待っていてもらえることになりました。
　もっと大人になったわたしが見たいんだって。うれしいな。

「よっ久しぶり、大きくなったなー！」
「うん、もうすぐで１さいだよ」
「そっかそっか、あっという間だよなあ」
「リガ兄来んの遅すぎ。僕なんて一週間前には来てたよ」
「おっ何だそのドヤ顔、やるか？一発やるか？？」

　そこでクシーお兄ちゃんととっくみあいをしているのが、うちの二番目のお兄ちゃんです。
　名前をストリガといいます。
　リガお兄ちゃんは、わたしたちのふるさとの『しょくぶんか』を変えるために、じもとでも育つ食べものを探して旅をしています。

「あいててててでででで！！関節技やめろ！！放せ！！」
「リガお兄ちゃん、けんかよりごはん作ってほしいな」
「おっメシだな、いいぞー任せとけ！食材何あんの？」
「ここ、お店がいっぱいあるから、なんでも買えるよ」
「そいつは頼もしいな。じゃあなんか見繕ってみっかー」
「おい！急にスルーするな！！」
「放せって言ったのお前だろー」
「ぐぬぬ」

　リガお兄ちゃんはお料理が上手だから、たのしみ。
　アルクスストアでお弁当を売ってもいいかもしれないです。

　そうそう、さいしょは何もなかったお店の中は、今はしょうひんと……わたしの、ちいさななかまたちが並んでいます。
　店のあちこちから生えていたり、ころがっていたりする、いろんな色のぷるぷる。
　すがたはちがうし、おしゃべりしたりむずかしいことを考えたりもできないけど、みんなわたしたちの『どうほう』だよ。
　って、お母さんとお父さんが言ってた。