第8週目 パロットの一週間
◆日記
昔々。と言ってもそんなに昔の話ってわけでもないらしいが。
あるところに、一人のガキんちょがいました。
そのガキには友達がいて、二人はかけがえのない親友だったそうです。
二人には夢がありました。「空を見る」という夢です。その世界には空はなく、ただただ真っ白な空間だけが広がっていたのですが、ガキの友達は「その先には『空』が広がってるのだ」と常々言っていました。
青空、夜空、朝焼け、そして夕闇。
そんな、色に満ちた空間が必ず存在するのだと。
友達の言葉を信じたガキんちょは、友達と一緒に『空』を目指すことにしました。誰も見たことの無い場所に行くために、勉強をしたり、『空』に手を伸ばすための乗り物の訓練をしたりしました。その時も、いつだって、二人は一緒でした。
そう、いつだって、二人は一緒でした。
一緒であることが、当たり前だと思う程度に。
だから。
ある日、突然、友達が目の前から消えて。一人取り残されたガキんちょは、どうしていいかわからなくなりました。
ガキんちょにできることは、友達の言った『空』を目指して飛び続けることだけでした。それが、本当にあるかどうかも、ガキんちょにはわからなかったというのに、ただただ、闇雲に。
そして。
ただ一人、知らない『空』を求めて飛び続けたガキ、もしくは「ガキだった」誰かさんは、ついに翼を折られて墜ちてしまいました。
目指した場所に、辿りつけないまま。
――それが、俺。今は「パロット」という認識しか持たない俺の、生涯である。
「……らしいぜ」
「へー」
「『へー』ってお前、散々俺様のことそそのかしといて」
「いや、俺も詳細は知らないから、何とも言えないんだよ。言っただろ、俺はアルファとは同期してないって」
「あー、なるほど」
そりゃあ、他人の過去話なんて聞いても楽しくないわな。
正直に言うと、俺にとってもそれは「他人の話」にしか聞こえなかった。それが紛れもなく、生前の俺の話であるのだと言われても……どうしたって、実感が湧かなかったのだ。
多分、俺にこの話をした張本人であるリブラ――今ここにいるリブラ・ガンマではなく、いつの間にかこのコンビニから姿を消していたリブラ・アルファのこと――は、俺がそんな風に感じていることに、とっくに気づいていたのだろう。話を終えた直後、リブラは小さく溜息をついて言ったのだ。
「お前がこの『過去』をどう捉えるかは自由だ。どうせ、覚えてもいないことだ、囚われる必要はない」
嘘や誤魔化し、とも思えなかった。
こいつが嘘をつくなんて可能性、それ自体を頭っから排除してた。こいつは、そんなほいほい嘘をつけるほど、器用な奴じゃない。……ということを、不思議と信じていたのだ。
「つまり、お前は、ここで言う俺の『友達』だったんだな」
「……俺の一方的な認識ではな。お前が、俺を本当に『友達』と思ってたのかは、それこそ過去のお前しか知らないよ」
「何で、俺の前から姿を消したんだ」
「不幸な事故があった。そして、二度とお前に会うことができなかった。今の、今までは」
「……死んだ、ってことか?」
「さあ、どうだろうな」
リブラは俺のような幽霊じゃない。だが、まともな「人間」でもないってことも、何となくわかる。この夕闇国は何もかもが曖昧な土地だが、その「曖昧さ」を利用して、かろうじて姿を現している存在という点では、ある意味俺もリブラもそこまで変わらない、そんな気がしている。
まあ、ただ、その辺りは正直どうだっていい。
俺はここにいて、リブラもここにいる、それは紛れもない事実なのだから。
なら、俺がリブラに聞くべき疑問は一つだ。
「じゃあ、どうして、お前は」
その時、リブラがどんな顔をしたのかは、正直全く覚えてない。
正確には「見えなかった」んだと思う。
何しろ、次の瞬間にはリブラの姿は忽然とその場から消えうせていたから。
かくして、最も俺が聞きたかったことをはぐらかしたあの野郎は、あれ以来姿を現さずにいて、代わりに――なのか否か、リブラと同じ顔した「端末」をよこしてきたのであった。
同じ顔してる割に中身はまるっきり違う「端末」リブラ・ガンマは、俺の苛立ちを華麗に受け流してパイプ椅子に腰掛け、何故かしきりに脛をさすりながら言う。
「あ、そういえば、これ水族館みたいなコンビニみたいな水族館で売られてたから買い取っておいたぞ」
「あ?」
「リブラ! リブラじゃねーか! お前何やってんだよ!」
きょとーん。
返事はない。ただのペンギンのようだ。
ペンギンを抱えたリブラ・ガンマは、ちょんちょんとペンギンの嘴をつついて言う。
「どうも、アルファとの同期はとうに切られてるらしい」
「つまり?」
「今はただのペンギンだ」
「要は、リブラのことは」
「こいつに聞いても無駄ってことだ。もちろん俺に聞いてもな。俺も、あいつの行方については何も知らされていない」
とっくりを背負ったペンギンは、俺たちを交互に見上げて、不思議そうに紫の目を瞬かせている。
「あー……、何か考えてるのも疲れてきたし、酒飲むか。ガンマは?」
「俺は弱いからやめとく。ジュースかお茶ない?」
「シャンパンならあるぜ。お高いやつ」
「酒じゃん」
「あ、カレーならあるぜ。それとも絶望カップラーメン食べる?」
「なにそれ名前からして怖い」
【Log:07 人鳥の消えた猫箱と、残された鸚鵡】
あるところに、一人のガキんちょがいました。
そのガキには友達がいて、二人はかけがえのない親友だったそうです。
二人には夢がありました。「空を見る」という夢です。その世界には空はなく、ただただ真っ白な空間だけが広がっていたのですが、ガキの友達は「その先には『空』が広がってるのだ」と常々言っていました。
青空、夜空、朝焼け、そして夕闇。
そんな、色に満ちた空間が必ず存在するのだと。
友達の言葉を信じたガキんちょは、友達と一緒に『空』を目指すことにしました。誰も見たことの無い場所に行くために、勉強をしたり、『空』に手を伸ばすための乗り物の訓練をしたりしました。その時も、いつだって、二人は一緒でした。
そう、いつだって、二人は一緒でした。
一緒であることが、当たり前だと思う程度に。
だから。
ある日、突然、友達が目の前から消えて。一人取り残されたガキんちょは、どうしていいかわからなくなりました。
ガキんちょにできることは、友達の言った『空』を目指して飛び続けることだけでした。それが、本当にあるかどうかも、ガキんちょにはわからなかったというのに、ただただ、闇雲に。
そして。
ただ一人、知らない『空』を求めて飛び続けたガキ、もしくは「ガキだった」誰かさんは、ついに翼を折られて墜ちてしまいました。
目指した場所に、辿りつけないまま。
――それが、俺。今は「パロット」という認識しか持たない俺の、生涯である。
「……らしいぜ」
「へー」
「『へー』ってお前、散々俺様のことそそのかしといて」
「いや、俺も詳細は知らないから、何とも言えないんだよ。言っただろ、俺はアルファとは同期してないって」
「あー、なるほど」
そりゃあ、他人の過去話なんて聞いても楽しくないわな。
正直に言うと、俺にとってもそれは「他人の話」にしか聞こえなかった。それが紛れもなく、生前の俺の話であるのだと言われても……どうしたって、実感が湧かなかったのだ。
多分、俺にこの話をした張本人であるリブラ――今ここにいるリブラ・ガンマではなく、いつの間にかこのコンビニから姿を消していたリブラ・アルファのこと――は、俺がそんな風に感じていることに、とっくに気づいていたのだろう。話を終えた直後、リブラは小さく溜息をついて言ったのだ。
「お前がこの『過去』をどう捉えるかは自由だ。どうせ、覚えてもいないことだ、囚われる必要はない」
嘘や誤魔化し、とも思えなかった。
こいつが嘘をつくなんて可能性、それ自体を頭っから排除してた。こいつは、そんなほいほい嘘をつけるほど、器用な奴じゃない。……ということを、不思議と信じていたのだ。
「つまり、お前は、ここで言う俺の『友達』だったんだな」
「……俺の一方的な認識ではな。お前が、俺を本当に『友達』と思ってたのかは、それこそ過去のお前しか知らないよ」
「何で、俺の前から姿を消したんだ」
「不幸な事故があった。そして、二度とお前に会うことができなかった。今の、今までは」
「……死んだ、ってことか?」
「さあ、どうだろうな」
リブラは俺のような幽霊じゃない。だが、まともな「人間」でもないってことも、何となくわかる。この夕闇国は何もかもが曖昧な土地だが、その「曖昧さ」を利用して、かろうじて姿を現している存在という点では、ある意味俺もリブラもそこまで変わらない、そんな気がしている。
まあ、ただ、その辺りは正直どうだっていい。
俺はここにいて、リブラもここにいる、それは紛れもない事実なのだから。
なら、俺がリブラに聞くべき疑問は一つだ。
「じゃあ、どうして、お前は」
その時、リブラがどんな顔をしたのかは、正直全く覚えてない。
正確には「見えなかった」んだと思う。
何しろ、次の瞬間にはリブラの姿は忽然とその場から消えうせていたから。
かくして、最も俺が聞きたかったことをはぐらかしたあの野郎は、あれ以来姿を現さずにいて、代わりに――なのか否か、リブラと同じ顔した「端末」をよこしてきたのであった。
同じ顔してる割に中身はまるっきり違う「端末」リブラ・ガンマは、俺の苛立ちを華麗に受け流してパイプ椅子に腰掛け、何故かしきりに脛をさすりながら言う。
「あ、そういえば、これ水族館みたいなコンビニみたいな水族館で売られてたから買い取っておいたぞ」
「あ?」
「リブラ! リブラじゃねーか! お前何やってんだよ!」
きょとーん。
返事はない。ただのペンギンのようだ。
ペンギンを抱えたリブラ・ガンマは、ちょんちょんとペンギンの嘴をつついて言う。
「どうも、アルファとの同期はとうに切られてるらしい」
「つまり?」
「今はただのペンギンだ」
「要は、リブラのことは」
「こいつに聞いても無駄ってことだ。もちろん俺に聞いてもな。俺も、あいつの行方については何も知らされていない」
とっくりを背負ったペンギンは、俺たちを交互に見上げて、不思議そうに紫の目を瞬かせている。
「あー……、何か考えてるのも疲れてきたし、酒飲むか。ガンマは?」
「俺は弱いからやめとく。ジュースかお茶ない?」
「シャンパンならあるぜ。お高いやつ」
「酒じゃん」
「あ、カレーならあるぜ。それとも絶望カップラーメン食べる?」
「なにそれ名前からして怖い」
【Log:07 人鳥の消えた猫箱と、残された鸚鵡】
STORY
夕闇国の夕空は燃えるように輝くオリハルコンの金魚マシンは、夕日を受けてやはり火焔のごとき輝き
「いつまで続ければいいんだろう、フランチャイズの店長さんの契約もそろそろ終わり」
さなえは静かに夕暮れの街を見る
「金魚の知恵だからって、このままじっとしていていいのかな……」
「私は全力で生きている……? ひいおじいちゃんが教えてくれたこと……」
視界の端をポコポコドラミングするゴリラが横切る
「この世で最もか弱きものが、胸を張って堂々と生きれたら、それが最高に素晴らしいことだって」
さなえは曾祖父からゆらぎの力を受け継いでいた。さなえが胸を張って金庫の扉を開けたとき……
そのときゆらぎの審判によって金庫の中身が決まるという
「自信がないよ……正しく生きれているのか。もし正しく生きていないと裁かれたら……ごぼぼっ!?」
言葉が泡で詰まる。はっと自分の両手を見る。それは紛れもなく金魚の鰭であった
――この世で最もか弱き金魚に――
◆訓練
笑顔の訓練をしました笑顔が27上昇した
笑顔の訓練をしました経験値が足りない
笑顔の訓練をしました経験値が足りない
笑顔の訓練をしました経験値が足りない
笑顔の訓練をしました経験値が足りない
リンジーからダイヤの指輪44が届いた◆送品
パロットはアルカールカ水族館夕闇国支店に大量消費社会44を送品した
◆送金
◆破棄
パロットはあるはら・あるはんぶらを破棄した!
パロットはフルーツワイン『StarChird』を破棄した!
パロットは地底湖の甘露を破棄した!
◆購入
パロットはペンギンぐい呑みセットを660闇円で購入した!
パロットは翼堕し【芋焼酎・辛口】を660闇円で購入した!
パロットは神殺しを660闇円で購入した!
◆作製
作成時発動! 高級!! 単価強化!
アルハラ44とダイヤの指輪44を素材にして鸚鵡印のシャンパンを作製した!
◆コンビニタイプ決定
メガ に決定!!
◆アセンブル
スロット1に鸚鵡印の蒸留酒を装備した
スロット2に鸚鵡印の日本酒を装備した
スロット3に鸚鵡印のウォッカを装備した
スロット4に鸚鵡印のホットワインを装備した
スロット5に鸚鵡印の発泡酒を装備した
スロット6に鸚鵡印のブランデーを装備した
スロット7に鸚鵡印の杏露酒を装備した
スロット8に鸚鵡印のシャンパンを装備した
スロット9にペンギンぐい呑みセットを装備した
スロット10に翼堕し【芋焼酎・辛口】を装備した
スロット11に神殺しを装備した
スロット12に牙砕き【赤・辛口】を装備した
◆アイテム改名
◆アイテムアイコン変更
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◆戦闘結果
売り上げ
闇円収入 1528
貢献収入 123
行動順報酬!! 20%
合計闇円収入1981
商品販売数 7個
◆経験値が52増加しました……
◆体力が22増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
貢献収入 123
行動順報酬!! 20%
合計闇円収入1981
商品販売数 7個
◆経験値が52増加しました……
◆体力が22増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
パロットはポイントカード48を入手した!
キャラデータ
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プロフィール
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陽気でうるさい幽霊。足はあるよ。 生前のことは何も覚えてないし、つい最近のこともほとんど覚えてない、かるーい頭をしている。 何だかよくわからないけど目が覚めたらコンビニで、しかもコンビニから出たら死ぬ(消える)と言われたので、とりあえずコンビニの中で好き勝手することにした。まずは酒を飲もう。ついでに売ろう。 【酒中心コンビニ『鸚鵡屋』従業員】 パロット こいつ。派手な幽霊。酒が好きだが実のところ味はよくわかっていない疑惑がある。女も好きだけど巨乳に限る。 記憶がふわふわで、生前のことは何も覚えてないし死後のこともよく覚えてないが、生前は空を飛ぶ仕事をしていて、墜落死していたことが明らかになった。 超マイペースであっけらかんとしており、物事を深く考えない。今の状況もさっぱり理解はできていないが、美味い酒が飲めるのでいいや、と思っているフシがある。 口を開くとうるさい。とてもうるさい。うるさいからパロット(鸚鵡)なのかもしれない。 リブラ(リブラ・アルファ) 異世界に存在する巨大な図書館の「司書(Librarian)」であるらしい男。 コンビニにパロットを押し込めた張本人。 長らくその思惑は不明だったが、どうもパロットの生前の友人であったらしい。 イケメンだけどちょっと残念な空回り型生真面目さん。 パロットはコンビニから出たら死ぬので、宣伝はこちらの役目だったが、今はサボっている。 自分の手足として「端末」を作る能力があり、リブラ・ガンマや他の店に営業に行ってるペンギンはみんな彼の「端末」である。 リブラ・ガンマ 時々顔を出す、リブラと同じ顔ながらリブラよりおっとりとした男。 リブラ・アルファの端末だが、他の端末とは異なり、アルファとは同期していない模様。 脛とかケツとか痛そうにしているが、別の世界で何かあったんだと思う。 アイコン、プロフ絵提供:紙箱みど様 (3、22、23は自作) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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店舗データ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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