ENo.0047　屋久 二柄孰

七週目はさほど労せず乗り越えることができた。
確実にゴリラが襲来すると読んでいたが、先週と打って変わり騎士らしき人物が入店していた。
どこからやってくるのかは分からないが、一先ず武運を祈っておきたい。

教会兼コンビニに連絡を飛ばしたのは良かったのだが、少女が応対したらしくすぐさま切られてしまった。
恐らく怯えさせてしまったのだろう。営業スマイル…もとい営業ボイスを出せるようにするべきだろうか…
一瞬だけ聞こえた、彼女の取り繕った声はまだ耳に残っている。


あまり定かではない情報だが、このフランチャイズ計画が一区切りされれば元の世界へと開放されるらしい。
噂によると業績を残した社員には帰還の際に『ゆらぎの貨幣』というものが送られるそうだ。
どうやら闇円とやらではないらしいが…はたして。

こちらの世界に慣れてしまった以上、元の世界に戻るのも少し億劫ではあるが…
自分の夢はコンビニ店長ではなくブロボクサーである。客を捌き、レジを打ち込む辺りは似ているが。
戻った折のプロテストで3回目の落第、とはならないようにしたい。


店長業務で失われていたやる気を取り戻した所で切り上げ、八週目に備えることにする。