ENo.0035　セシルス・ロズ

今日は静かである。いつもは青いアクシデントが静寂を切り裂いていたというものの、今日はその傾向もない。ただ、客たちが小さな私語をしている、それだけ。
ロズ「今日はアクシデント、ないですねえ。」

ロズ「ま、たまにはこういう日も、いいんじゃないですかね。」

店主はそして再び筆を走らせる。彼が読んだ全ての物語の為に。
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完璧之作成之項　序文

はじめに言っておくが、完璧といえど所詮は人間である。いや、人間である以上完璧なぞ不可能である。
では何故完璧と詠ったのだろう。其れは只単に其れがが完璧に見えるからだ。
今回私が提案した場合の完璧、即ち理想的完成形は、永久機関の確立である。
食べず飲まず寝ずとも、永遠に生活していける其れこそが素晴らしい人生である。
だがすまない。私はこの本を書ききるまでには真にその方法を確立してはいないだろう。
しかしでは人体が活動するエネルギーを常に人体に与え続けることができたのなら？それはその人体を見ただけなら、目的は達成されたといえるだろう。
このためには教会の力も魔術の力も借りた。教会には体力回復の術もあるからだ。
結論から言うと、これは理論的には魔力とエネルギーとの変換と、転送装置さえあれば可能であったのだ。
しかし、生命力の回復だけならともかく、全ての変換理論の確保には難儀を有した。それと、人の持つ魔力というのは他人には馴染まないものだ。その例外を探すのにも難易度があるため、未だ実用性に達するレベルではない。
だが、これはまさしく成功例であり、正しく技術の進歩であるため、複数の世界を調べる傍ら、ここに手順を記す。願わくば更なる技術の進歩を願う。