第6週目 パロットの一週間
◆日記
リブラ。
俺のことを生前から知ってるらしい、あの黒髪のにーちゃん。
何となく懐かしいような気がするのは、気のせいなのか、否か。生前について覚えていることの方が少ない今となっちゃ、あいつが何者なのかは見当もつかない。ただの人間じゃない、ってことは明らかだけど、別に俺だって人間じゃないし、そう気にしてもいなかった。
リブラとよく似た、けれど明らかに「違う」とわかる野郎が、寝ぼけている俺の顔を覗き込んだ、その日までは。
「おはよう、パロット」
「おはよう……って、お前、リブラじゃねーよな?」
「俺はリブラだよ。いや、『リブラの一人』というべきかな」
「んん?」
「あんたがいつも会ってるリブラはリブラ・アルファ、俺のオリジナルでありリブラを統括するものだ。そして俺はリブラ・ガンマ、三人目のリブラ。アルファの複製人格を持つ端末だ。と言っても意識を同期はしてないから、全く同一というわけでもない」
「あー……えーと、何?」
「同じ名前で同じ顔の別人ってこと」
「急にわかりやすくなったな」
どうして今日はいつものリブラじゃないのかと聞けば、いつものリブラは仕事が忙しくて来られないから、代わりにこのガンマくんとやらが来たということらしい。
「仕事って、何をしてんだ?」
「アルファから聞いてないのか?」
「……そういや、何も聞いてねーな」
俺がリブラについて知ってることといえば、奴が便宜上「リブラ」と名乗っていること、今にも消えそうだった幽霊の俺に今の体を用意したらしいこと、俺がコンビニで働くことを望んでいるということ、そのくらい。
そう、今まで、あいつが何者なのかについてはほとんど意識したことがなかったのだと、今更ながらに気づく。まあ、必要もなかったからな。
リブラ・ガンマはこほんと咳払いをして、特に俺から聞いてもいないのに淡々と言葉を吐き出しはじめる。
「リブラ、もしくはライブラ。正式には個体を識別するための名前ではなく、我々の『役職』の通称だ。Librarianの略とされる」
「……『司書(Librarian)』?」
「そう。俺やあんたが本来存在していた世界は、世界の維持のために他世界がどのように構築され、維持しているのかの情報を必要としている。俺たちリブラは、世界を超えた各地の情報を収集し、世界の中心に存在する『書庫』に保管するために存在する司書だ。そして、あんたの知るリブラ・アルファは、自分の手足となる俺のような『端末』を作成して故郷とは別の世界へと投入し、『端末』から与えられる情報を編纂して、『書庫』に登録していくという仕事をしている」
「えーと?」
「……リブラの仕事は世界を渡って、情報を集めること、です」
「お、おう」
うん、何か馬鹿でごめんな。
気を遣わせちまってるのがわかるだけに、なんというか、ちょっと、申し訳ない。
「で、本来、アルファは『編纂』を担当する司書長で、直接他世界に干渉することはない。今回は、まあ、アルファのわがままということだ」
「んー……、何か、よくわからねーんだけど」
「何だ」
「リブラ……お前の言う『アルファ』って、元の世界で消えそうだった俺を実体化させて、このコンビニに置いてるっつってたんだけどさ。よくよく考えると、その理由がさっぱりわからねーんだ」
「アルファは、あんたを通してこの夕闇国の情報を収集しているようだから、まあ、そこはアルファの『役割』だと思って間違いない。ただ」
「その端末が『俺』である必要は、ねーよな?」
「その通り」
ガンマくんの言うことが正しければ、本来「情報の収集」はガンマをはじめとしたリブラの分身の役目であって、俺の役目じゃない。
なら、どうして、俺はここにいる?
リブラは、どうして俺をこの場所に置いた?
あいつは確か俺の存在は「理に反している」と言っていた。それはそうだ、死人が長々と世界に留まってちゃならんことくらい、俺にだってわかる。
なのに、あいつはわざわざ「俺」をこの場に呼び寄せて、命じたのだ。
――コンビニの店員をやれ、と。
「……それこそが、アルファの最大のわがままだ」
「あ?」
「俺はアルファと同期していないから、アルファの意図はわからん。だが、アルファにとって、生前のあんたは相当重要な存在であったらしい」
「俺が? あいつの?」
「ああ。だから、アルファは――」
「あんたを閉じ込めることを、選んだ」
その言葉に、背筋が粟立った。
閉ざされた扉。外の世界を知ることもできない、不安定な存在である「俺」。
今まで考えないようにしてきた全てが、この瞬間、俺の目の前に突き付けられた、そんな気がした。
「閉じ込める……?」
「このコンビニは居心地の良いだけの監獄だ、パロット。理に反してお前の存在を無理やり繋ぎとめ、逃がさないための」
「監獄、って、ちょっと待ってくれ、でも、あいつは」
俺はリブラを知らない。もしくは「覚えていない」。
だが、ここで目が覚めてからのあいつを思い出す限り、生真面目だがどこかとぼけた、ちょっと変わっているけど悪い奴じゃなかった。
何より、一緒にいて、心地よい奴だった。
だが、果たしてリブラは、俺をどう思っていたんだ――?
「あんたはあいつを覚えてないだろうし、忘れてしまったものを思い出すこともないだろうけれど」
リブラ・ガンマは俺を見る。
あいつと同じ、澄みきった、紫水晶の目で。
「あいつは、何一つ、忘れられずにいる」
「……っ、だから、何だっていうんだよ!」
「だから」
リブラ・ガンマは口を開く。
あいつと違う、人間らしい感情を欠いた、まっさらな顔で。
「この監獄から逃れたければ、アルファの真意を知るしかない」
「……っ」
「さもなければ」
――永遠に、あんたは、この箱から出られない。
そんなことを、言い放つのだ。
【Log:05 鸚鵡と三人目の司書、もしくは看守】
俺のことを生前から知ってるらしい、あの黒髪のにーちゃん。
何となく懐かしいような気がするのは、気のせいなのか、否か。生前について覚えていることの方が少ない今となっちゃ、あいつが何者なのかは見当もつかない。ただの人間じゃない、ってことは明らかだけど、別に俺だって人間じゃないし、そう気にしてもいなかった。
リブラとよく似た、けれど明らかに「違う」とわかる野郎が、寝ぼけている俺の顔を覗き込んだ、その日までは。
「おはよう、パロット」
「おはよう……って、お前、リブラじゃねーよな?」
「俺はリブラだよ。いや、『リブラの一人』というべきかな」
「んん?」
「あんたがいつも会ってるリブラはリブラ・アルファ、俺のオリジナルでありリブラを統括するものだ。そして俺はリブラ・ガンマ、三人目のリブラ。アルファの複製人格を持つ端末だ。と言っても意識を同期はしてないから、全く同一というわけでもない」
「あー……えーと、何?」
「同じ名前で同じ顔の別人ってこと」
「急にわかりやすくなったな」
どうして今日はいつものリブラじゃないのかと聞けば、いつものリブラは仕事が忙しくて来られないから、代わりにこのガンマくんとやらが来たということらしい。
「仕事って、何をしてんだ?」
「アルファから聞いてないのか?」
「……そういや、何も聞いてねーな」
俺がリブラについて知ってることといえば、奴が便宜上「リブラ」と名乗っていること、今にも消えそうだった幽霊の俺に今の体を用意したらしいこと、俺がコンビニで働くことを望んでいるということ、そのくらい。
そう、今まで、あいつが何者なのかについてはほとんど意識したことがなかったのだと、今更ながらに気づく。まあ、必要もなかったからな。
リブラ・ガンマはこほんと咳払いをして、特に俺から聞いてもいないのに淡々と言葉を吐き出しはじめる。
「リブラ、もしくはライブラ。正式には個体を識別するための名前ではなく、我々の『役職』の通称だ。Librarianの略とされる」
「……『司書(Librarian)』?」
「そう。俺やあんたが本来存在していた世界は、世界の維持のために他世界がどのように構築され、維持しているのかの情報を必要としている。俺たちリブラは、世界を超えた各地の情報を収集し、世界の中心に存在する『書庫』に保管するために存在する司書だ。そして、あんたの知るリブラ・アルファは、自分の手足となる俺のような『端末』を作成して故郷とは別の世界へと投入し、『端末』から与えられる情報を編纂して、『書庫』に登録していくという仕事をしている」
「えーと?」
「……リブラの仕事は世界を渡って、情報を集めること、です」
「お、おう」
うん、何か馬鹿でごめんな。
気を遣わせちまってるのがわかるだけに、なんというか、ちょっと、申し訳ない。
「で、本来、アルファは『編纂』を担当する司書長で、直接他世界に干渉することはない。今回は、まあ、アルファのわがままということだ」
「んー……、何か、よくわからねーんだけど」
「何だ」
「リブラ……お前の言う『アルファ』って、元の世界で消えそうだった俺を実体化させて、このコンビニに置いてるっつってたんだけどさ。よくよく考えると、その理由がさっぱりわからねーんだ」
「アルファは、あんたを通してこの夕闇国の情報を収集しているようだから、まあ、そこはアルファの『役割』だと思って間違いない。ただ」
「その端末が『俺』である必要は、ねーよな?」
「その通り」
ガンマくんの言うことが正しければ、本来「情報の収集」はガンマをはじめとしたリブラの分身の役目であって、俺の役目じゃない。
なら、どうして、俺はここにいる?
リブラは、どうして俺をこの場所に置いた?
あいつは確か俺の存在は「理に反している」と言っていた。それはそうだ、死人が長々と世界に留まってちゃならんことくらい、俺にだってわかる。
なのに、あいつはわざわざ「俺」をこの場に呼び寄せて、命じたのだ。
――コンビニの店員をやれ、と。
「……それこそが、アルファの最大のわがままだ」
「あ?」
「俺はアルファと同期していないから、アルファの意図はわからん。だが、アルファにとって、生前のあんたは相当重要な存在であったらしい」
「俺が? あいつの?」
「ああ。だから、アルファは――」
「あんたを閉じ込めることを、選んだ」
その言葉に、背筋が粟立った。
閉ざされた扉。外の世界を知ることもできない、不安定な存在である「俺」。
今まで考えないようにしてきた全てが、この瞬間、俺の目の前に突き付けられた、そんな気がした。
「閉じ込める……?」
「このコンビニは居心地の良いだけの監獄だ、パロット。理に反してお前の存在を無理やり繋ぎとめ、逃がさないための」
「監獄、って、ちょっと待ってくれ、でも、あいつは」
俺はリブラを知らない。もしくは「覚えていない」。
だが、ここで目が覚めてからのあいつを思い出す限り、生真面目だがどこかとぼけた、ちょっと変わっているけど悪い奴じゃなかった。
何より、一緒にいて、心地よい奴だった。
だが、果たしてリブラは、俺をどう思っていたんだ――?
「あんたはあいつを覚えてないだろうし、忘れてしまったものを思い出すこともないだろうけれど」
リブラ・ガンマは俺を見る。
あいつと同じ、澄みきった、紫水晶の目で。
「あいつは、何一つ、忘れられずにいる」
「……っ、だから、何だっていうんだよ!」
「だから」
リブラ・ガンマは口を開く。
あいつと違う、人間らしい感情を欠いた、まっさらな顔で。
「この監獄から逃れたければ、アルファの真意を知るしかない」
「……っ」
「さもなければ」
――永遠に、あんたは、この箱から出られない。
そんなことを、言い放つのだ。
【Log:05 鸚鵡と三人目の司書、もしくは看守】
STORY
ゴリラ様のご来店により、陳列がめちゃくちゃになってしまったコンビニこれは一体どういうことなのか……ゴリラウェーブの正体とは……
「さなえ、どうやら敵はあなたを完全に叩きのめしたい様子」
「……」
さなえは黙ったまま、乱れた商品を並べなおしていた。視察先全てがこのような有様だった
金魚の魔女は静かに空中を泳いでいる
「さなえ、ちょっとは落ち込んだ?」
「……そうだね。思うようにはいかないね」
「どうする? 手助けを――」
「手助け?」
さなえの瞳に、金魚が翻る!
「ここからが面白いところじゃない! 這い上がるのってね……楽しいんだよ」
――這い上がるのってね、楽しいんだよ――
◆訓練
笑顔の訓練をしました笑顔が19上昇した
笑顔の訓練をしました経験値が足りない
揺蕩う海藻の神たちから暑い日差し36が届いた◆送品
◆送金
おじさん達からアルハラ36が届いた◆破棄
◆購入
パロットは七色カクテルを607闇円で購入した!
パロットは牙砕き【赤・辛口】を607闇円で購入した!
パロットはスマイリングステージを607闇円で購入した!
◆作製
暑い日差し36とアルハラ36を素材にして鸚鵡印のブランデーを作製した!
◆コンビニタイプ決定
メガ に決定!!
◆アセンブル
スロット1に鸚鵡印の蒸留酒を装備した
スロット2に鸚鵡印の日本酒を装備した
スロット3に鸚鵡印のウォッカを装備した
スロット4に鸚鵡印のホットワインを装備した
スロット5に鸚鵡印の発泡酒を装備した
スロット6に鸚鵡印のブランデーを装備した
スロット7に七色カクテルを装備した
スロット8に牙砕き【赤・辛口】を装備した
スロット9にスマイリングステージを装備した
スロット10に酒豪のサンドイッチを装備した
スロット11にみかん酒を装備した
スロット12にジントニックを装備した
◆アイテム改名
◆アイテムアイコン変更
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メッセージ
ENo.11からのメッセージ>>
リブラ「……あいつ、ガンマと上手くやれてるかな」
リブラ「まあ、気にしていても始まらないな。とっとと仕事を終わらせて戻るとしよう」
リブラ「…………」
リブラ「茶番だってのは、俺が一番よくわかってるよ、ガンマ」
ENo.74からのメッセージ>>
ヒュミール「 @ヒュミール@/0/お兄ちゃんたち、お酒好きだからきっとよろこぶよ、ありがとう(嬉しそうにお酒を抱えてみせた)」
ヒュミール「うん、お母さんはきれい……似てる、といいなあ、えへへ(なんだか照れくさそうだ) でも、そう言ってるお兄さんもかっこいいよ、強そうだし」
ヒュミール「それじゃあ帰るね、次はお兄ちゃんたちと一緒に来るよ、お兄さんまたね(楽しそうに去っていった)」
メッセージを送信しました
>>Eno.7 >>Eno.57 >>Eno.74 >>Eno.79 >>Eno.11
リブラ「……あいつ、ガンマと上手くやれてるかな」
リブラ「まあ、気にしていても始まらないな。とっとと仕事を終わらせて戻るとしよう」
リブラ「…………」
リブラ「茶番だってのは、俺が一番よくわかってるよ、ガンマ」
ENo.74からのメッセージ>>
ヒュミール「 @ヒュミール@/0/お兄ちゃんたち、お酒好きだからきっとよろこぶよ、ありがとう(嬉しそうにお酒を抱えてみせた)」
ヒュミール「うん、お母さんはきれい……似てる、といいなあ、えへへ(なんだか照れくさそうだ) でも、そう言ってるお兄さんもかっこいいよ、強そうだし」
ヒュミール「それじゃあ帰るね、次はお兄ちゃんたちと一緒に来るよ、お兄さんまたね(楽しそうに去っていった)」
メッセージを送信しました
>>Eno.7 >>Eno.57 >>Eno.74 >>Eno.79 >>Eno.11
◆戦闘結果
売り上げ
闇円収入 2010
貢献収入 126
行動順報酬!! 20%
合計闇円収入2563
商品販売数 2個
◆経験値が37増加しました……
◆体力が36増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
貢献収入 126
行動順報酬!! 20%
合計闇円収入2563
商品販売数 2個
◆経験値が37増加しました……
◆体力が36増加しました……
◆素材が本部から支給されました……
パロットは入店チャイム40を入手した!
パロットはセールのチラシ40を入手した!
キャラデータ
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プロフィール
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陽気でうるさい幽霊。足はあるよ。 生前のことは何も覚えてないし、つい最近のこともほとんど覚えてない、かるーい頭をしている。 何だかよくわからないけど目が覚めたらコンビニで、しかもコンビニから出たら死ぬ(消える)と言われたので、とりあえずコンビニの中で好き勝手することにした。まずは酒を飲もう。ついでに売ろう。 【酒中心コンビニ『鸚鵡屋』従業員】 パロット こいつ。派手な幽霊。酒が好きだが実のところ味はよくわかっていない疑惑がある。女も好きだけど巨乳に限る。 とにかく記憶がふわふわしてて、生前のことはほとんど覚えてないし、死後のこともよく覚えてない。ただ「パロット」と呼ばれていて、何か未練があって幽霊としてこの世にしがみついていたことだけを覚えている。 超マイペースであっけらかんとしており、物事を深く考えない。今の状況もさっぱり理解はできていないが、美味い酒が飲めるのでいいや、と思っているフシがある。 口を開くとうるさい。とてもうるさい。うるさいからパロット(鸚鵡)なのかもしれない。 リブラ 謎の男。コンビニにパロットを押し込めた張本人だがその思惑は不明。 イケメンだけどちょっと残念な空回り型生真面目さん。 パロットはコンビニから出たら死ぬので、宣伝はこちらの役目。ただコンビニから出ると疲れるらしいので、外では「省エネモード」と称してペンギンの姿をしている。 アイコン、プロフ絵提供:紙箱みど様 (3、22、23は自作) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
_0_1_2_3_4_5_6_7 _8_9101112131415 1617181920212223 |
店舗データ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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